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世界的建築家の矜持 世界文化賞の取材で感じる 東京発世界 

産経ニュース / 2024年10月10日 7時0分

第35回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表会見で質問にこたえる建築部門受賞の坂茂氏(中央)=9月10日午後、東京・虎ノ門(矢島康弘撮影)

世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」の取材は、記者にとっても特別な感がある。なにせ、女優のカトリーヌ・ドヌーヴさん(2018年演劇・映像部門)をはじめ、世界の一流芸術家が来日し、作品への思いや信念など「生の言葉」をじかに聞けるからである。

9月に東京で行われた第35回受賞者発表会見では、世界的建築家の坂茂氏(建築部門)の発言が心に残った。設計と並行し、被災地での仮設住宅作りなど災害支援にも積極的に携わる坂氏。「地震で人が亡くなるのではない。建築が崩れて人は亡くなる。だからわれわれ(建築家)には責任がある」。言葉の端々からプロとしての矜持(きょうじ)を感じた。

特筆すべきもう一つの活動がウクライナ支援だ。避難所でプライバシーを確保する「間仕切り」システムを提供し、ポーランドの大学と協力して低コストの復興住宅も開発中。坂氏は「今の自分のチャレンジはウクライナ支援」と語った上で、「世界が幸せにならなかったら、日本の平和なんてない」と言い切る。

ロシアのウクライナ侵攻開始から2年半が過ぎ、世界各地で「支援疲れ」が表面化してきた。交流サイト(SNS)には読むに堪えない言葉も並ぶ。だからこそ、坂氏のまっすぐで熱い言行一致ぶりに心を強く動かされた。(本間英士)

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