弥生時代の気候変動に迫る企画展、奈良・田原本町で開催中 22日には講演会も 福井・水月湖の「年縞」など展示
産経ニュース / 2024年9月18日 17時30分
弥生時代を代表する大規模環濠集落として知られる奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡を通じて、当時の気候変動などを明らかにするプロジェクトを同町と山形大学が行うことになり、予定している研究内容を紹介するミニ企画展が同町阪手の唐古・鍵考古学ミュージアムで開かれている。22日には古代の気候変動の研究者による講演会が行われる。企画展は来年4月中旬まで。
紀元前5世紀~紀元後3世紀まで続いた同遺跡では大型建物跡などが見つかり、奈良盆地の中心的集落とされる。今回のプロジェクトでは遺跡や遺物だけでなく、1年ごとの環境変化が科学的に証明できる福井県の水月湖(すいげつこ)の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」を分析することで、同遺跡の気候変化や弥生人がどう対応したかなどを復元するという。
企画展では、年代特定に使われる同遺跡の土器をはじめ、水月湖の7千~8千年前に堆積した「年縞」の一部、中米グアテマラの湖の「年縞」の標本など約10点を展示している。
研究は今年度から令和10年度まで予定され、研究目的などもパネルで紹介。柴田将幹学芸員は「古代人の社会生活などを研究する考古学と、1年ごとの環境が分かる年縞を総合的に研究することで、弥生時代にとどまらず現代人が直面する気候変動への対応を考える材料にしたい」と話す。
講演会は22日午後1時半から、同ミュージアムに隣接する2階研修室で。立命館大の中川毅教授が「古代の人々が手に入れた『おだやかな』暮らし」、山形大の白石哲也准教授らが今回のプロジェクトなどについて解説する。定員80人(先着順)で無料。企画展会場のミュージアムは一般200円、高校・大学生100円で月曜休館(月曜が祝日の際は翌平日)。問い合わせは同ミュージアム(0744・34・7100)。
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