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世界文化賞授賞式 「作品通じ社会に提案」誇りに 建築部門受賞の坂茂氏が謝辞

産経ニュース / 2024年11月19日 21時32分

第35回高松宮殿下記念世界文化賞の合同記者会見後、記念撮影に応じる(左から)坂茂、ソフィ・カル、マリア・ジョアン・ピレシュ、ドリス・サルセド、アン・リーの各氏=18日午後、東京・虎ノ門(安元雄太撮影)

世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第35回授賞式典が19日、常陸宮妃華子殿下をお迎えし、東京・虎ノ門のオークラ東京で行われた。

今回は映画監督のアン・リー氏ら5部門5人が受賞。受賞者総数は計180人となった。

式典では、日本美術協会の日枝久会長が「世界の混迷の度が深まっている。世界文化賞を通じて平和と繁栄に少しでも寄与できれば」と挨拶。来賓の岸田文雄前首相が「文化・芸術の発展は他者との共感や信頼、相互理解の促進を可能にし、平和で安定した国際社会の礎になると信じている。今後も人々に生きる喜びや力を与えてほしい」と祝辞を述べた。

華子殿下が受賞者5人に顕彰メダルを授与し、常陸宮殿下のお言葉を代読された。

受賞者を代表し、建築部門の坂茂氏が「他の受賞者は、単なる美しい作品を作るために活動しているアーティストではなく、世界の社会的問題に対して批判や提案をしている。その一員に選ばれたことを、心から誇りに思う」と謝辞を述べた。

祝宴では来賓の小池百合子東京都知事が「アーティストの活動が社会に多様な彩りをもたらし、明るい未来への懸け橋ともなり得る」と述べ、乾杯の音頭をとった。

常陸宮殿下のお言葉

国際顧問、受賞者そしてこれまでの受賞者の皆さまをお迎えし、記念すべき第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」の授賞式が開かれますことは、この上ない慶びであります。

世界は各地で分断と対立が収まらず、人々はますます心の平安を必要としています。今こそ国境を越えて人々を結び付け、心を豊かにする芸術の力が求められています。これまで35回を数える本賞の歴史のもと、多くの受賞者が広く世界で活躍されていることに深く敬意を表します。

あらためて今年の受賞者の皆さまにお祝いを述べるとともに、今後一層の研鑽を重ねられ、ますます業績を挙げられますことを願ってやみません。(常陸宮妃華子殿下ご代読)

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