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<朝晴れエッセー>あの日偶然に

産経ニュース / 2024年9月20日 5時0分

「あの日 偶然そこにいて」というテレビ番組を見ながら、私の「あの日」を思い起こしていた。

若い頃、私の職場前で女性が運転する車が動かなくなり、見かねた職場の同僚が車を押して空き地まで移動を手助けした。私は、その場に居合わせなかったが、後日、女性が職場にお礼に来たことでその出来事を知った。その女性は、後に私の妻となった。

東日本大震災では、自宅が津波で流された。周辺には100戸ほど集落があったが、全戸大きな被害に遭った。亡くなられた方も多く、13年たった今でも悲しい記憶は消えることがない。

妻と次女は震災の前日、私の赴任先に泊まりに来て難を逃れた。また、長男は流された家の屋根に登り凍えていたところ、深夜、自衛隊のヘリコプターに発見され一命を取り留めた。

全ての出来事には意味があって、偶然はないとおっしゃる方がいるが、私はそうは思わない。人生には理屈では説明できない不思議な偶然がある。偶然があったからこそ、妻と出会い、震災で家族の命が助かった。

番組は、「あの日」の映像に偶然映り込んだ人のその後の人生を追ったものであった。番組を通して、生かされた命をいかに生きるかを考える良い機会になった。

大越幸隆(68) 宮城県名取市

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