飛鳥の都を支えた水と田園風景にスポット 飛鳥資料館で特別展「水と暮らしの風景史」
産経ニュース / 2024年10月8日 6時30分
「日本人の心のふるさと」と呼ばれる飛鳥(奈良県明日香村)の田園風景や川にスポットを当てた特別展「水と暮らしの風景史」が、同村奥山の奈良文化財研究所・飛鳥資料館で開かれている。世界文化遺産の国内推薦候補になった飛鳥の都は豊かな水が支えたともいわれ、水田の下に眠る遺跡とともに現代の景観を通じて飛鳥の魅力に迫る。12月1日まで。
1400年前の飛鳥時代の遺跡は、巨石を加工した噴水施設が発掘された飛鳥京跡苑池、天武天皇の飛鳥浄御原宮(きよみはらのみや)などには石組みの水路が張り巡らされ、「石と水の都」と呼ばれる。宮殿や水路は、現在の水田の区画や用水路として痕跡が残っている。
首都として栄えた飛鳥も奈良時代の平城京遷都後は田畑などに一変した。ただし、古代遺跡の存在は今も地元言葉に残り、世界遺産候補の「大官大寺跡」の講堂跡は水田になっているが、農家の人たちは「コウドウの田んぼ」と呼んでいる。
特別展では、一般にはあまり知られていない江戸時代の水争いについて紹介。天和2(1682)年には下八釣(しもやつり)村(現在の奈良県橿原市)と小山村(明日香村)で、飛鳥川から百貫川に引く水を巡って訴訟沙汰になった。会場には、当時の訴訟資料として作製された水田や川の流路を記した絵図などを展示している。
水争いがあった地域も含めて、飛鳥盆地一帯の現在の田畑や水路などを表示したジオラマ模型も設置。竹内祥一朗研究員は「飛鳥といえば古代遺跡が注目されるが、現在の農村風景は地元の人々の暮らしの中で育まれ、守られてきた文化遺産であることを感じてほしい」と話す。
11月9日午後1時からはウオークイベントがあり、水争いの舞台となった小山集落、大官大寺跡などを研究員とたどる。定員20人で事前申し込みが必要。特別展は毎週月曜休館(祝日の場合は翌平日)。一般350円、大学生200円、70歳以上と高校生・18歳未満は無料。問い合わせは同館(0744・54・3561)。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
奈良期の掘立柱建物跡出土 須恵器の流通管理施設か 滋賀・御館前遺跡
産経ニュース / 2024年10月10日 19時2分
-
【奈良県 2024年版】秋の絶景・風物詩10選 紅葉と緑が織り成す“錦の里”「正暦寺の紅葉」
CREA WEB / 2024年10月6日 7時0分
-
飛鳥資料館令和6年度秋期特別展「水と暮らしの風景史―古地図と景観がひらく飛鳥」
@Press / 2024年10月4日 15時30分
-
登呂遺跡で稲刈りや石器づくり 弥生時代の体験イベントが10月6日にスタート
OVO [オーヴォ] / 2024年10月2日 12時37分
-
日本初の“水田跡”が発見された特別史跡「登呂遺跡」で稲刈りや石器づくりなど弥生時代の歴史文化が体験できる秋のイベントを10月より開催
PR TIMES / 2024年9月24日 16時15分
ランキング
-
1その乾電池、使用期限は大丈夫? 使わなくても電力は減っていく 調べるのは簡単
まいどなニュース / 2024年10月11日 17時30分
-
2「たまごはコレステロール値が高い」はウソである…脳をシャキシャキと動かすには「1日1個」では足りない理由
プレジデントオンライン / 2024年10月11日 16時15分
-
3【賛否】食器洗い用スポンジで「シンクを洗う」アリorナシ? SNSで“拒否反応”相次ぐも「分ける必要性を感じない」人も
オトナンサー / 2024年10月9日 22時10分
-
4平均零下20度の極寒に15頭置き去りの南極越冬隊…生き残った兄弟犬「タロとジロ」奇跡の生還のその後
プレジデントオンライン / 2024年10月11日 10時15分
-
550代からの不眠…改善のカギは「寝る前の1時間半の習慣」にあった!
ハルメク365 / 2024年10月11日 18時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください