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<朝晴れエッセー>避暑地での晴れ姿

産経ニュース / 2024年9月14日 5時0分

自衛官として勤務していたときは、訓練や海外出張も多く、子供たちの学校の入学式・卒業式に参列できなかった。成人式は、単身赴任中であり、後日、写真で見ただけであった。

定年になり、やっとそれらの節目に立ち会うことができると思ったときには、彼らは社会人となり家を出ていた。

そんな私の思いを察したのか、婚姻届だけの予定だった長女が、この夏結婚式を挙げてくれた。

毎年、和室の柱にせいくらべの印をつけたこと。旅行中に財布を落としたとき、仕事でちょっと疲れちゃったときに泣きながら私に電話してきたこと。たくさんの家族との思い出が書かれた感謝の手紙をもらった。

一緒にバージンロードを歩いた。そういえば、こうやって腕を組むのは娘が小学生のとき以来か。次は私がもっと年を取って一人で歩けなくなったときだろうか。新郎は、誠実で思いやりのある男性である。緊張する私、すでに涙目の妻、満面の笑みの娘。

私は雨男である。台風が近づき、前日の天気予報も雨だったが、「私は晴れ女だから大丈夫」の娘の言葉通り、晴天に恵まれ、時折吹く風に秋の気配を感じる軽井沢で、私が初めて目にすることができた彼女の晴れ姿だった。

長友雄一(59) 千葉県四街道市

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