世界文化賞レセプション 広がる交流の輪、仲間と旧友と喜び共有
産経ニュース / 2024年11月19日 23時23分
東京・虎ノ門のオークラ東京で19日夕、第35回高松宮殿下記念世界文化賞のカクテルレセプションと祝宴が開かれ、交流の輪が広がった。
絵画部門のソフィ・カルさんと旧交を温めたのは、平成21年の同部門受賞者で写真家の杉本博司さん。約30年前から交流があり、東京でのみの市に出店するプロジェクトを一緒に行ったこともある。失恋の痛みを表現した作品「限局性激痛」が話題になり、杉本さんが「悲しいストーリーが、今夜はハッピーに変わった?」と問いかけると、カルさんは「最悪から最高に」などと応じた。
柳がデザインされたドレス姿で出席した彫刻部門のドリス・サルセドさんには、国立新美術館館長の逢坂恵理子さんが「日本の伝統的なものに見えます」と声をかけた。サルセドさんも「すてきな着物ですね」と返し、お互いの装いが話題に。逢坂さんは「これからも精力的に作品を作ってください」と激励し、サルセドさんは手を合わせながら「頑張ります」と力強く語った。
「受賞者代表の謝辞、お疲れさま。会場の拍手も長かったですよ」と建築部門の坂茂さんを祝福したのは、建築史家の三宅理一さん。坂さんが学生の頃からの知り合いで、8月に出版した「動都 移動し続ける首都」の共著者でもある。坂さんは「国会議事堂の耐震性の問題などもあり、動都は喫緊の課題です」と力説し三宅さんは穏やかな表情でうなずいた。
音楽部門のマリア・ジョアン・ピレシュさんに笑顔で声をかけたのは、日本を代表するチェロ奏者でサントリーホール館長の堤剛さんだ。後進の育成に熱心で親日家のピレシュさんは、堤さんに「日本にも私が教えた若者たちがいて、活躍しているのがうれしい」と笑顔で語った。また、「私と日本との関係が、さらに深まりました」と受賞の喜びも伝えた。
演劇・映像部門のアン・リーさんは、元外交官で東京国際映画祭チェアマンの安藤裕康さんと言葉を交わした。20年ほど前に懇談したことがあり、同映画祭についても「知っています」とリーさん。今年の審査委員長が監督作「ラスト、コーション」で主演したトニー・レオンだと把握しており、映画祭への協力を求めた安藤さんに、「スケジュールが合えば」と前向きに応じた。
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