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「文化財のお医者さん」蛇行剣など保存処理35年の歩み紹介 橿考研

産経ニュース / 2024年9月1日 8時30分

考古遺物の保存処理に使われる実体顕微鏡(手前)などが並ぶ企画展=奈良県橿原市の県立橿原考古学研究所

遺跡で発掘された出土品の保存修復や科学分析を担当する奈良県立橿原考古学研究所の「保存科学研究室」開設35周年にちなんだ企画展が、奈良県橿原市畝傍町の同研究所1階アトリウムで開かれている。富雄丸山古墳(奈良市)の国内最大の蛇行剣など数多くの遺物の分析や修復を手掛ける研究室の歩みとともに、調査で使う実体顕微鏡などを展示し、ミリ単位で行われる精緻な作業を知ることができる。27日まで。

保存科学は、文化財の保存・修復のために自然科学の手法を応用した研究分野。数千年間も地中に埋もれて劣化した考古遺物を後世に残すには欠かせない「文化財のお医者さん」といわれる。

同研究所では半世紀以上前から保存処理に取り組み、平成元年に専門部署として保存科学研究室、4年に保存科学棟が完成し、最新技術で県内外の文化財の保存修復などを行っている。

木製品や金属製品は劣化が激しく特別な処置が必要で、企画展では発泡ウレタンなどを使った蛇行剣の取り上げ作業、藤ノ木古墳(斑鳩町)の豪華な金銅製の馬具などの保存処理について、写真パネルや民放番組の映像などで紹介している。

木製品は地下水に覆われた環境で残ることが多く、発掘後に水分を取り除くと半分以下の大きさに収縮するため、会場では形状の変化を標本展示を通じて説明。木製品の保存処理は、水の代わりに砂糖のような成分を浸透させる方法を同研究所が開発し注目された。

高松塚古墳やキトラ古墳壁画などの分析に使われる蛍光エックス線分析の仕組みなどについても解説。小倉頌子主任研究員は「保存科学の分野は蛇行剣などで知られるようになったが、出土品の一般公開や後世に伝えていくにはどのような作業が必要か見てもらえれば」と話す。見学は平日と14日で無料。問い合わせは同研究所(0744・24・1101)。

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