被団協にノーベル平和賞「2つの立場、向かい合う契機に」 広島出身の作家、堀川惠子さん
産経ニュース / 2024年10月11日 22時37分
2024年のノーベル平和賞が11日、日本各地の被爆者らでつくる日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に授与されることが決まった。広島出身のノンフィクション作家で、原子爆弾の犠牲者の遺骨を供養する原爆供養塔をテーマとした著作もある堀川惠子さんに話を聞いた。
核の残虐性を世界に
被団協に対する授賞理由では、被爆者の「証言」が評価されている。原爆によって、核兵器によって、どれほどの被害が出るのか、その残虐性を世界に知ってもらわなければならないような国際情勢になっているということだろう。
広島の8月6日、長崎の8月9日。今回の受賞は、原点となったその日にもう一度目を向け、被爆者の声に耳を傾けようというメッセージだ。
国内では、核兵器廃絶の訴えは、目の前にある安全保障の現実に対立する立場や文脈で語られがちだ。しかし、遠くにあって目指すべき人類の願いとして、核兵器の廃絶に反対する人はいないはず。受賞は2つの立場が向かい合うきっかけになるのではないだろうか。
ロシアのウクライナ侵略によりエネルギー価格が高騰し、日本でも電気代が値上がりするなど生活に影響が出た。国際情勢に無関心であったとしても、無関係ではいられない状況になっている。
原爆投下からまもなく80年。核兵器廃絶は実現していない。だが、80年近くも使用されていない歴史として捉えることもできる。
これまで被爆者が頑張ってくれたが、鬼籍に入った人も多い。戦後80年は、私たちがその歩みを引き継ぎ、核兵器が使われない世界を1日でも伸ばすという決意を新たにする節目としたい。(談)
ほりかわ・けいこ
ノンフィクション作家、ジャーナリスト。昭和44年、広島県生まれ。「裁かれた命—死刑囚から届いた手紙」で新潮ドキュメント賞、「原爆供養塔—忘れられた遺骨の70年」で大宅壮一ノンフィクション賞など受賞歴多数。
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