遺跡保護へ地域が「守り人」に 「飛鳥・藤原」世界遺産シンポ
産経ニュース / 2025年2月10日 19時57分
来年の世界文化遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」をテーマにしたシンポジウムが8日、奈良県橿原市の「かしはら万葉ホール」で開かれた。登録実現には、遺跡や景観保護へ地域の取り組みが重要な鍵を握るとされ、専門家は「地元の人たちが『守り人』になって積極的に関わってほしい」と呼びかけた。
「飛鳥・藤原」については1月末、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出。今年夏~秋にユネスコの諮問機関「イコモス」が現地調査を行い、来年夏ごろに世界遺産委員会で登録の可否が審議される見込み。シンポジウムは、地元の機運を高めようと県などの登録推進協議会が主催した。
基調講演では、文化庁で世界遺産の推薦や保存業務に携わった下田一太・筑波大教授が「世界遺産は登録がゴールではなく、保全への取り組みが問われる。ユネスコ側は地域がいかに深く関わっているかを注視している」と強調した。
「飛鳥・藤原」は、宮殿や寺院跡、古墳など19資産で構成され、飛鳥時代に天皇を頂点とした中央集権国家が日本で初めて築かれた歴史遺産として知られる。下田氏は「イコモスの現地調査に際し、宮殿跡など地下に埋もれた遺跡の価値を正確に理解してもらえるよう日本側の『説明する力』が求められる」と話した。
橿原市世界遺産登録推進課の浜口和弘課長は小学校の出前授業を紹介し「子供たちは授業内容を親に伝え、家庭内で遺跡の大切さを話し合ってくれる」と説明した。
同県明日香村教育委員会文化財課の小池香津江課長は、牽牛子(けんごし)塚古墳の復元整備にあたり子供たちが墳丘を覆う板石の裏面に将来の夢を書いたり、周辺にアサガオを植えたりしている事業を紹介。「牽牛子塚という難しい名前を子供たちが覚えてくれる」と話した。
同県桜井市観光まちづくり課の岡本喜一課長は「飛鳥・藤原の世界遺産登録によって県中部にもインバウンド(訪日客)が来てくれる」と期待を込め、登録推進協議会の森井順之事務局長は「世界遺産登録へみんながプレーヤーになることが大切」と締めくくった。
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