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「竹取物語」「天女の羽衣」文化財建築で妖美なおとぎの世界へ ホテル雅叙園東京で夏の涼

産経ニュース / 2024年8月26日 21時4分

「登龍門伝説」をイメージした作品「鯉の滝登り」=目黒区のホテル雅叙園東京

猛暑が続く東京。夏らしいことをしたいけれど、危険な暑さに足も重くなる。和にあふれたホテル雅叙園東京(東京都目黒区)では、都指定有形文化財「百段階段」を舞台とした夏ならではの展示や浴衣の着付けサービスなどを展開。日本の夏の涼を楽しめる。

竹取や天女

著名な画家らの手による天井画や欄間に彩られた7部屋へ導く階段。平成12年からこの場所を生かし、さまざまな企画展を行っている。現在行われているのは「和のあかり×百段階段2024 ~妖美なおとぎばなし~」。毎年内容は異なるが、同ホテルの夏の風物詩でもある。

たくさんの竹灯籠と和紙で作られた月による「竹取物語」、歌舞伎などで使われる衣装や大道具で表現された「葛の葉伝説」、水墨画と生け花が躍動的な「鯉の滝登り~登龍門伝説~」、深い青を基調に、光と影や植物のモチーフで空間演出された「天女の羽衣」など、多種多様な光と職人の技を掛け合わせた作品が展示されている。

涼やかな館内で、オリジナル音楽や香りなどが加わることで五感全てが刺激され、没入体験ができる。「夏の美しい妖しさをおとぎ話で表現」(担当者)しており、怪談とは一味違う物語性を持つ。かすかにきしむ床の音や畳の感触に、どこか郷愁も覚える。

細部まで伝統美

正面玄関からすぐに出られる庭園には、今年、「涼みどこ」を設置。川床をイメージし、水辺にせせり出た縁台と番傘の下で憩うことができる。建物の影になることや絶え間ない滝の水音により、体感温度が下がったかのような涼を味わえる。

館内も随所でアートと出会える。壁にあでやかな女性たちが生き生きと描かれた「彩色木彫板」は、浮世絵をモチーフに彫刻家、盛鳳嶺(さかり・ほうれい)が木彫りの上から彩色した作品。角度を変えると女性たちの表情も変化する。回廊途中に現れるむくり屋根の門「招きの大門」は目黒雅叙園の玄関を模しており、両脇の水辺では今回の企画展と連動したあかりの展示がゆらゆらと水面を照らす。

エレベーターやトイレまでも黒漆塗りの壁に、らでん細工が施されるなど、細部まで日本の伝統美が徹底。回廊の先の庭園には大きな滝があり、滝の裏に回ることもできる。

「令和の竜宮城」

日本の夏に浸るならば浴衣がお勧め。訪れる人の中には和装も多いが、着付けもお願いできる「浴衣プラン」を提供しており、多様な色や柄から選んだ浴衣を着て、館内での食事やアフタヌーンティーを楽しめる。非日常の館内で、タイムスリップしたような浴衣姿の写真を収めるのも夏の思い出になるはずだ。浴衣はそのまま持ち帰れる。

JR目黒駅から徒歩3分にありながら、踏み入れれば時を忘れるような癒やしを感じられる空間は、さながら「昭和の竜宮城」と呼ばれた頃からアップデートされた「令和の竜宮城」。疲れた心と体をリフレッシュしてくれそうだ。

昨今は、デジタル技術で手軽に時空を超えた没入体験ができるが、百年近く前の階段から巡るおとぎ話の世界などは、「アナログな元祖没入体験。都会の喧騒を忘れて、唯一無二の体験に没入してほしい」と担当者。「企画展では癒やしや五感での体験を。館内では涼やかな体験を。思い出深く、ホテルで一日を満喫してほしい」

「和のあかり」は9月23日まで。午前11時~午後6時。一般1600円など。涼みどこ、浴衣プランは同30日まで。浴衣一式と着付け、食事などで1万5500円から。(鈴木美帆)

ホテル雅叙園東京

起源は、昭和3年に細川力蔵氏が芝浦の自宅を改装して開業した高級料亭「芝浦雅叙園」。本格的な日本料理や北京料理を提供し、中華料理ではおなじみの回転テーブルを早期に取り入れたとも伝わる。

6年に、より多くの人に本格的な料理を気軽に食べてもらいたいと目黒に「目黒雅叙園」を開業、豪華さから「昭和の竜宮城」とも称された。平成29年、「日本美のミュージアムホテル」と銘打つ、ホテル雅叙園東京へとリブランドされた。3号館は都指定有形文化財「百段階段」として、約2500点の日本画や美術工芸品などは館内の随所に受け継がれている。

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