<話題の本>幻の一冊71年ぶり刊行 『詩集 いのちの芽』大江満雄編
産経ニュース / 2024年10月13日 10時20分
昭和28年に三一書房で刊行後、長く絶版だった「幻の詩集」が今年8月に初文庫化された。8つのハンセン病療養所入所者73人の詩227編を交流があった詩人が編んだもの。
《芽は/天を指さす 一つの瞳/腐熟する大地のかなしみを吸って/明日への希(ねが)いにもえる》(志樹逸馬「芽」から)
20~30代中心の書き手による戦後の作品を収録。強制隔離と差別に苦しみ、「諦観の文学」とされた戦前のハンセン病文学から戦後、治療薬による社会復帰など新たな生き方を目指す潮流を映しだしている。
昨春、国立ハンセン病資料館(東京都)の企画展で4000部を限定復刊し無料配布。本詩集を以前から気にかけていた編集担当の鈴木康之さんが資料館学芸員、木村哲也さんの協力を得て71年ぶり刊行を手掛けた。
書き手には初めて詩を書くような人もいたが、鈴木さんは「自分の言葉で伝えようとする、現代詩が忘れた熱情があり、強く訴えかける」。発売2カ月で6000部が売れ、各地での刊行イベントも注目されている。近現代詩の秀作、ハンセン病を巡る証言集でもあり、「励まされるよう」と鈴木さん。コロナ禍や災害で生き方を考える動きが広がる中、かみしめて読みたい。(三保谷浩輝)
■『詩集 いのちの芽』大江満雄編(岩波文庫・1364円)
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