脳を知る 脳卒中患者 高い骨折リスク 転倒に注意
産経ニュース / 2025年1月14日 6時0分
気温変動の激しくなる時候は血圧の変動も大きくなりやすく、脳卒中患者さんが増える時期でもあります。
脳梗塞や脳出血を起こすと多くの場合、左右どちらかの手足の運動麻痺(まひ)や感覚障害、言語障害などが出ます。幸い軽症で済んで後遺症のほとんどない方もおられますが、何らかの症状を残している方は多くおられます。片方の手足の動きが鈍くなると当然歩行時のバランスが悪くなり転倒しやすくなります。せっかく脳梗塞の治療を終えたのに、翌年に骨折で入院されるような患者さんもちらほら見かけます。
脳卒中の患者さんに骨折は多いのかなと以前から思っていましたが、先日韓国からの報告でデータが出されていました。脳卒中を経験したグループと脳卒中未経験のグループで3年から5年程度の追跡をした研究です。そうするとやはり、脳卒中グループの方が骨折リスクが明らかに高いことがわかったそうです。
特に後遺症の強い人たちのグループでは股関節の骨折割合が高かったようです。軽症のグループでは尻餅をついて椎体(ついたい)骨折(背骨の骨折)を起こす人が多かったようです。股関節の骨折(大腿骨(だいたいこつ)頸部(けいぶ)骨折など)はギプスなどの安静固定では治癒することがほとんど望めず、ほぼ手術加療が必要になります。腕に少しヒビが入ってギプスで済むような骨折と比べると生命に関わる骨折です。
単に動きが悪いだけの方よりも手足の感覚が鈍くなっている方は特に注意が必要です。ご自身の足がどのくらい上がっているか、どのくらいの歩幅で足を出せているかなど、ごく当たり前の足の感覚が低下していることがよくあります。しかも自覚しにくい症状なので注意が必要です。
「もう治ったから大丈夫」と思わずに「転倒するかもしれない」という意識を持っていただくだけで転倒のリスクが減ると思います。「転ばぬ先の杖(つえ)」という言葉のように常に注意をするように心がけてください。
(済生会和歌山病院脳神経外科医長 三木潤一郎)
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