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「かくれ老眼」30代でも気をつけて 自覚なくても3割超に症状 40代からは我慢禁物

産経ニュース / 2024年10月3日 8時0分

梶原一人医師

50代にさしかかり、新聞や雑誌の字が読みにくくなると「ああ老眼かな」と実感する。ところが、30代であっても3割以上は自覚のない「かくれ老眼」だと指摘する調査がある。10月10日は目の愛護デー。目の「今」の状態を確認してみよう。

老眼の症状は、小さい文字を読むときにぼやけたり見えにくかったりする、読む対象を顔から離したり近づけたりしてピントを合わせる、暗いところでものが見えにくい-といった形で表れる。一般的には40代から始まって、以降、加齢に伴い悩む人が増えていくイメージが強い。

ところが老眼の症状はもっと若いうちから始まることもあるようだ。眼鏡製造販売の「眼鏡市場」を展開するメガネトップ(静岡市)が5月、20~54歳の600人を対象にインターネット調査を行い、「30代の3割以上がかくれ老眼」だとする結果を発表した。

「老眼の自覚がない」と答えた人に、老眼の症状の有無を調べる簡易検査の項目に該当するものがあるかを聞いた。すると30歳以上の3割以上に、自覚はないのに老眼の症状があった。

年代別では30代前半が31.6%、30代後半が35.0%。まだ若い30代は、日常で多少文字が読みにくいなどと感じても、それが「老眼」の症状だと認識しづらいことが、「かくれ」につながる理由だと考えられる。

我慢して対策取らない40代

一方、老眼の自覚があるとした人は、30代では約13%にとどまった。45~54歳では約65%となり、症状を自覚している人が多かった。

40代以降に目立つのが、そのまま何の対策も取らずに日常生活を送る「がまん老眼」だという。同調査によると、老眼の自覚がある人のうち、40代前半の70.6%、40代後半では75.4%が何の対策も取っていなかった。50歳を超えると自分の老眼を受け入れやすくなるのか、「対策なし」は66・7%と7割を下回っていた。

年を重ねれば悩まされる人が増える老眼。なぜ気づかなかったり、がまんしたりする人が多いのか。

「老眼は病気ではありません。目の中の水晶体が柔軟性を失って近くのものにピントが合いにくくなる調節異常という、加齢性の現象です」とは、「眼科かじわらアイ・ケア・クリニック」(東京都墨田区)の梶原一人院長(65)。誰の身にも起きうることで、「老眼だけが原因で視力が低下することはないし、緑内障や白内障といった他の病につながることもない。不便になるだけ」と梶原さんは説明する。

近視だと老眼になりにくく、遠視ならなりやすいといわれることもあるが、それは誤解だという。

「近視の人は普段から近くにピントが合っているので、多少見にくくなっても気づきにくい。逆に普段から近くにピントが合いづらい遠視の人は、さらに見づらくなるので老眼に早く気づくのです」

早めの眼鏡で改善を

老眼の進行を遅らせたり根本的に改善したりする方法はなく、現実的な対策は老眼用の眼鏡かコンタクトレンズを使うこと。梶原さんは「付け外しできる利便性や災害時の汎用(はんよう)性を考えると、老眼鏡か遠近両用眼鏡の使用が一番の対策。老眼鏡を使ったからといって老眼が悪化することはない」と話す。

ただ、スマートフォンやパソコンの使い過ぎは目の疲れによる「見づらさ」につながるので、気をつけたほうがいい。

日本人は「年よりじみている」と老眼鏡を敬遠する傾向があるという。メガネトップの積木大輔さんは「症状が進んでから慌てて老眼鏡を使い始めると、慣れないため目が疲れ、気分が悪くなったり頭が痛くなったりすることもある。症状が軽いうちに慣れておくことです」と強調する。

また老眼だと思っていた症状の裏に緑内障や白内障などが隠れていることもある。梶原さんは「老眼かなと思ったら、一度眼科で検査することをすすめます」と呼びかけている。(田中万紀)

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