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梅雨明け後は寝苦しい〝超熱帯夜〟も 快眠のカギ「脳を冷やす」 専門医に聞くメカニズム

産経ニュース / 2024年7月16日 10時46分

アイスパック(保冷剤)を差し込み、冷却機能と通気性を兼ね備えた夏専用の枕も登場した(ブレインスリープ提供)

梅雨も後半となり、蒸し暑く寝苦しい日々が続いている。熱帯夜は夜間の最低気温が25度以上を指す気象庁の用語だが、日本気象協会では、夜間の最低気温が30度以上となるケースを〝超熱帯夜〟と独自に命名。今年はすでに福岡市で超熱帯夜が観測された。高温多湿で睡眠の質が低下すると、熱中症のリスクも高まる。睡眠外来を担当する専門医は入眠時に「脳を冷やすこと」が快眠につながると話す。睡眠のメカニズムについて聞いた。

福岡で夜間の最低気温30度超も

日本気象協会によると、今年初めて超熱帯夜となったのは福岡市。8日夜から9日午前6時までの最低気温が30・1度となった。

同協会では令和4年8月から、夜間の最低気温が30度以上の夜を超熱帯夜と独自に呼ぶ。「ここ数年、夜間でも気温が下がらない地点が多くなっていることから、暑さへの関心をさらに高め、熱中症予防の普及啓発、注意喚起の一環として呼ぶことにした」と担当者は説明する。

快適な入眠の秘訣(ひけつ)は

蒸し暑いと寝苦しく、睡眠の質が悪化する。耳鼻科医で睡眠外来を担当するDクリニック東京ウェルネスの井坂奈央医師は「睡眠を左右する3要素は室温、湿度、明るさだが、夏場は高温多湿で日の出も早く、そもそも睡眠が乱れやすい」と説明する。

快適な睡眠には、まず睡眠のメカニズムを知ることが重要になる。カギとなるのは「深部体温」だという。「深部体温は脳や内臓の体温を指す。一般的に深夜に最も低くなり、目覚めると上がり始め、最も高くなるのが夜の8時くらい。上がった深部体温が下がることで、質のいい眠りにつながるといわれている」(井坂医師)。

就寝前に、深部体温をうまく下げられるかどうかが良質な睡眠のポイントとなるそうだ。

入浴は就寝90分前、エアコンは必須

井坂医師によると、深部体温を下げるのに効果的なのが入浴だという。入浴すると体温が上がり、深部体温を下げる目的とは矛盾しそうだが、なぜなのか。「深部体温の特徴として、上げるとその分だけ下がるという性質がある。注意点は、下がるのには90分くらいの時間がかかること。就寝の90分前に入浴するのが望ましい」。

就寝まで時間がないときは、深部体温を上げ過ぎないようにシャワーで済ませるのがいいという。さらに「深部体温をしっかり下げていくには、室温と湿度の管理が大切。夜間もエアコンはつけておいてほしい」とすすめる。

効果的な頭を冷やす枕

また、深部体温と直結する「脳」を冷やすことが効果的だという。頭部を冷やすグッズとして身近なのは保冷枕だ。

保冷枕の「アイスノンソフト」や「アイスノンやわらかフィット」を製造・販売する白元アースによると、近年は猛暑の影響もあり、売り上げは拡大傾向。ユーザーからは「寝つきをよくしたい」「冷房が苦手なので設定温度を高めにして、保冷枕を併用している」といった声が届いているという。

井坂医師は保冷枕について「低温やけどにならないように、タオルを巻くなどして使用してほしい」と呼びかける。

枕自体も進化している。寝具開発を含め睡眠に関する事業を展開するブレインスリープは通気性と冷却機能を兼ね合わせた新製品「ブレインスリープ ピロー パーフェクト クール」を5月に発売した。枕本体にアイスパック(保冷剤)を差し込む構造が特徴だ。

井坂医師は「通気性がいいそば殻の枕も夏には適している。深部体温を下げることを意識し、体に熱がこもらない寝具を活用しながら、しっかり睡眠をとってほしい」と話している。

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