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インフルエンザ猛威で子供の脳症リスク警戒 後遺症も、専門家「ワクチン接種を」

産経ニュース / 2024年12月27日 19時17分

インフルエンザの検査を行う「クリニックばんびぃに」の時田章史院長=27日、東京都港区(王美慧撮影)

季節性インフルエンザが全国的な拡大を見せる中、子供たちへの感染も急速に広がり、小児外来のあるクリニックに患者が押し寄せている。特に小児は「インフルエンザ脳症」といった深刻な合併症を発症する恐れも指摘され、警戒感が高まっている。

感染が急拡大するインフルエンザ。東京都港区の小児科医院「クリニックばんびぃに」には27日も午前9時の診療開始と同時に発熱症状を訴える患者家族が続々と訪れた。日本小児科医会理事も務める時田章史院長は「12月に入り急激に増えた」と話す。

いつもなら患者は1日60人程度だが、約80~100人に増えているという。この日は午前中だけで発熱外来に20人が訪れ、うち8人がインフルと診断された。伝染性紅斑(リンゴ病)や新型コロナウイルス、マイコプラズマ肺炎など複数の感染症の流行が重なっているという。

子供のインフル感染について、時田氏は特に合併症で発症することがある脳症に注意を呼び掛ける。時田氏によると、初期症状として、発熱して解熱後も意識がもうろうとしている、幻視や急に飛び出すなど異常言動や行動を挙げる。「知人の病院でも脳症患者が出た。治療しても後遺症や死亡に至ることも少なくない。インフルが大流行すると必ず脳症の患者が増える」と危機感を強める。

帰省などで人の往来が活発化し、大勢で集まる機会が増える年末年始を控え、時田院長は「子供の犠牲者を出さないためにも、新型コロナウイルス禍の感染対策を思い出して徹底してほしい」と呼び掛けた。

免疫に詳しい医師で大阪大名誉教授の宮坂昌之氏も警戒を呼びかける。宮坂氏によると、インフル患者の10万人に1人の割合で脳症の患者が出るとされ、子供でも特に4歳未満の発症頻度が非常に高いという。

宮坂氏も「コロナ禍の対策がインフルの流行を抑える上でも有効だ。ワクチンは感染と重症化予防の効果があり、脳症の発症も抑えてくれる」として接種を呼び掛けた。(王美慧)

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