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体中にじんましん、呼吸困難 食べておかしいと感じたら 健康カフェ(276)

産経ニュース / 2024年8月15日 9時0分

「調子が悪い」という60代後半の男性が昼休みのクリニックを訪れました。体中にじんましんが出て、少しふらついています。本来なら午後の診療開始まで待ってほしいところですが、症状が悪化してしまうのが心配なので、すぐに診察しました。

全身の皮膚が赤く、口腔(こうくう)粘膜や眼球結膜も赤く腫れています。歩いてきたのですが、診察しているうちに起き上がれなくなりました。酸素飽和度は正常値より低くなっていました。

男性によると豆乳を飲んでしばらくしてからおかしくなったそうです。以前にも豆乳を飲んだとき、じんましんが出た経験があり、今回が3回目といいます。激しいアレルギー反応が出る「アナフィラキシーショック」と診断し、血圧を上昇させる作用のあるエピネフリン(アドレナリン)を投与しました。その上で近くの総合病院へ搬送し、治療を継続してもらいました。

アナフィラキシーとは生命を脅かすほど急激に進行する全身性の過敏反応のことです。呼吸困難や血圧低下などの症状のほか、皮膚や粘膜の変化を伴うことが多く、治療が必要です。通常は原因となるような物質を食べたり吸い込んだりした後、数分から数時間のうちに起こり始めます。適切に治療されなければ命を落とすことがあるものなので、予防と治療が大切です。

血圧が下がり、ぐったりとして意識が悪くなってしまった場合や、呼吸困難が見られるようなときには、すぐにエピネフリンを注射します。アナフィラキシーショックを起こしたことのある人やその危険が高い人には、エピネフリンの自己注射薬を医師から処方してもらい、常に持ち歩くことが勧められます。症状がいったん治まっても、時間をおいて再び出てくる場合があります。症状が出た後は、長時間、注意しなければなりません。エピネフリンの自己注射で症状が軽快しても、すぐに病院を受診する必要があります。

アナフィラキシーの原因が特定できれば、その物質を避けて再発を予防できる可能性があります。腹痛や下痢などを引き起こした飲食物は避けるべきでしょう。ただし、特定できないケースも珍しくはありません。食物アレルギーの話題はよく見聞きすると思いますが、蜂などによる虫刺されや薬物が原因になるケースもあります。

この男性にもエピネフリンの自己注射薬を処方し、携行してもらっています。男性は「命拾いしました」と話していました。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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