京丹後はなぜ長寿のまち? 「遺伝子情報」からアプローチ、京都府立医大など
産経ニュース / 2025年1月18日 8時0分
100歳以上の高齢者割合(人口10万人あたり)が全国平均の約3倍に上り、全国屈指の「長寿のまち」として知られる京都府京丹後市。健康長寿のメカニズムの解明に向けて、京都府立医大(京都市上京区)は同市の高齢者を対象に遺伝子情報に基づく「生物学的年齢」を測定し、生活習慣などとの関連性を解析する新たな共同研究を今月から始めた。府立医大は研究を通じて「老化度を客観的に評価し、健康で長生きをするために必要な因子を探し出したい」としている。
年齢同じでも…
研究は抗老化に関する研究開発を手掛けるRhelixa(レリクサ、東京)とともに実施。京丹後市と協力して平成29年から65歳以上を対象に行っている調査「京丹後長寿コホート研究」の参加者(約1100人)のうち、まずは約100人を対象に、採血データから得られるDNAメチル化情報と呼ばれる遺伝子の情報に基づいた生物学的年齢を測定する。
実年齢は同じ人でも、健康状態や疾患リスク、ストレスなどの影響によって生物学的年齢は個人で大きく異なり、実年齢より高ければ老化が進んでいると推測される。これまでのコホート研究で得ている各種検査や生活習慣調査などの内容と、計測した生物学的年齢の相関関係を分析することで、食生活や嗜好(しこう)品、運動習慣などが健康長寿や老化スピードにどのように影響するのか科学的に明らかにするのが狙いだ。
生物学的年齢の測定や健康増進に役立てる研究は近年、世界的に活発になっている。今回の研究を率いる京都府立医大大学院の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)は「生物学的年齢を活用すれば、個人ごとに老化対策をたてることも可能になると考えられる」と話した。(杉侑里香)
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