更年期症状の治療、主にはホルモンを補充する方法で 100歳時代の歩き方 イマサラＱ＆Ａ

Q　先週、主に女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少することで更年期の症状が出ると教えてもらいました。どのような治療法があるのですか

A　主に薬剤治療、心理療法・代替療法、ライフスタイルの見直し－の3つがあります。薬剤治療ではホルモン補充療法（HRT）が中心です。エストロゲンを補充するもので、のぼせなどのホットフラッシュをはじめ多くの症状の改善が報告されています。飲み薬、塗り薬、貼り薬と多くのタイプがあります

Q　注射かと思いました

A　保険も適用され、医療機関で処方して服用します。子宮のある人は通常、エストロゲンに加えて黄体ホルモンも服用します。服用方法もさまざまで、医師と相談して決めます

Q　以前、HRTには副作用があると聞きました

A　乳がんの発症リスクが高まるとされた時期がありました。その後の検証で、HRTによるリスクは高くなく、飲酒や喫煙などの生活習慣によるリスクと同等か以下であることが分かっています。不正出血などの一時的な反応はありますが、個々に合った対応ができます。乳がんや子宮体がん、重度の肝臓疾患などの人には適用できません

Q　ほかに症状の改善につながるものはありますか

A　エクオールという物質はエストロゲンとよく似た働きをします。エクオールは豆腐などの大豆製品に含まれるイソフラボンが腸内細菌で変化してできます。エクオールを体内で作れる人は2人に1人ですが、作れる人も作れない人も、摂取することで症状を軽減させる効果があると分かっています。保険は適用されませんが、乳がんや子宮体がんの人でも摂取可能です。漢方を服用する場合もあります

Q　HRTは不安感など精神的な症状にも効果がありますか

A　HRTは多くの症状に効果があります。それでも精神的な症状がなかなか改善されない場合は、抗不安薬なども併せて服用することもあります

（回答者　昭和大医学部准教授　有馬牧子）