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サッカー元日本代表は経営者に 鈴木啓太さん「腸内環境で健康支える」 100歳時代の歩き方 私の後半戦

産経ニュース / 2024年8月25日 9時0分

腸内環境をケアする製品。さまざまなデータを取り入れている=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

浦和レッズで活躍した元サッカー日本代表は引退後、会社を興した。起業から10年目。アスリートの腸内環境のデータを活用し、人々の健康をサポートしている。「自分の人生、自分で決める。選んだ道を正解にしていく」と話す社長は、さらなる大きな夢を抱いている。

アスリートの腸内細菌に着目し、解析してサプリメントなどの製品に生かしています。腸内環境の検査も行います。ヒポクラテスの「すべての病気は腸から始まる」との格言通り、腸は大切な場所。腸内環境の探求で、健康な生活作りに寄与したいと考えています。

腸が一番大事

《腸の大切さは子供のころから説かれてきた》

母親が調理師で、「人間は腸が一番大事だ」と言われてきました。家ではぬか漬けやみそ汁、納豆など発酵食がよく出たし、食物繊維が豊富なノリも好きでした。幼少期から腸内環境に良い食生活と、腸が大事という感覚を植え付けられましたね。中学からは腸内細菌に良いサプリメントも摂取し、Jリーグ選手になってからも、おなかを冷やさないなど、腸を中心に自分のコンディションを作っていました。

《16年間、浦和レッズ一筋で3期連続キャプテンを務めた。平成27年、34歳で引退する》

不整脈があって、思うようなプレーができなくなり、引退を考えるようになりました。そのころトレーナーから、腸内環境でビジネスをしている人がいるという話を聞きました。腸が大事と言われ続けてきたこととつながり、すぐ、その人に会いに行きました。

《アンテナを張って、フットワーク軽く動くことをモットーにしている》

その人と会って話して、「アスリートの腸内細菌を調べたらおもしろい」となったのが、今の会社「AuB(オーブ)」の始まりです。腸内細菌の解析のため、アスリートの便を集め始めました。

失敗して学ぶ

《異色の転身を危ぶむ声もあった》

「何をやっているんだ」「大丈夫なのか」と多くの人から心配されました。でも、自分ではかけ離れたことをやっているとは思っていません。自分の幸せや目的は、大事な人が喜んでくれることです。サッカーに熱中したのも、幼少時に母が自分が蹴ったボールのゴールを喜んでくれたからです。引退時に、何が自分の幸せかを考えたとき、アスリートの腸内環境を生かし、ヘルスケアの分野でサポーターや皆さんの健康を支えたい、という思いが自然に芽生えました。賛同してくれるアスリートも増え、今では45競技の1千人以上の検体を採取しました。

《起業にリスクは感じなかったという》

だってサッカー選手は1年でクビになるかもしれない世界ですよ。安定とは無縁、終身雇用なんてよく分からない。保証があったらうれしいという気持ちは分かりますが、自分はそれより「やっちゃおう」という気になります。起業するときも「やっちゃおう」でした。結婚して子供もいたけど、何とかなると思っていました。

《岐路に立ったときは「どんな選択も間違いではない」と思うという》

誰だって、そのとき、そのときの最良の選択をしているはずだからです。選んだ道を肯定し、正しい道にするため、信じて進むしかありません。

《経営者として10年目を迎えた》

経営スキルは走りながら、失敗しながら学んできました。人事管理をどうしたらいいのか、方向性をどうするか。先輩経営者に話を聞くこともありますが、自分で考え抜き、判断しています。サッカーも瞬間、瞬間、自分で判断しますからね。社員はとても助けてくれますよ。今年10周年で、いろいろなイベントなどを企画してくれています。

《今後は会社の発展とともにサッカーの夢も…》

健康サポートの規模を社会全体に広げていきたい。さらに、サッカーチームの運営をしたい。日本のチームを対アジア、対世界の観点から、どのような構造にしていけばいいのか。時代に即した変化が必要です。(聞き手 小川記代子)

鈴木啓太

すずき・けいた 昭和56年、静岡県生まれ。平成12年、東海大翔洋高からサッカーJリーグの浦和レッズに入団。U-23日本代表やオシム監督率いる日本代表にも選ばれた。27年、引退とほぼ同時に「AuB株式会社」を設立。有名ゲストとサッカーを語るYouTubeも人気。

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