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「この人、熱中症かも?」と思ったら…涼しい場所であおぎ、水分を補給し、体を冷やす いきいき人生の処方箋

産経ニュース / 2024年8月1日 8時0分

亀山祐美医師

今年も猛暑。連日各地で最高気温が30度超えの真夏日を観測し、毎日のように「熱中症で救急搬送」との報道が出ています。

熱中症は、気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い-といった環境のところで、激しい運動や労働をすることで起きやすくなります。さらに、最近の猛烈な暑さによって、冷房を入れずに扇風機だけの室内で過ごしていて熱中症になる人もいます。特に高齢者は、口の渇きを感じにくくなっているうえに「トイレが近くなるのが嫌」と水分摂取を控える傾向があり、熱中症を起こしやすいのです。

症状はさまざまで、軽症の場合はめまい、失神、筋肉の硬直、大量の汗-など。中等症になれば頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感-などがあらわれます。重症化すれば、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温-などが起こります。少しでも「この人、熱中症かも?」と感じたら、ためらうことなく迅速に対応しなければなりません。周囲の人たちと協力して、できることを行いましょう。

まず本人を木陰やクーラーの効いた室内に移動させ、衣服を緩めてうちわなどであおぐことから始めます。意識がはっきりしていれば、水やスポーツドリンクを飲ませましょう。理想的なのは水に食塩を加えた飲料ですが、手元に食塩がなければ普通の水道水で支障ありません。ただし、冷たいものを一度に大量に飲ませると嘔吐することがあります。

意識がはっきりしていても、体温が下がったら、念のため病院を受診するほうがいいでしょう。

もしも、意識が明瞭でなかったり、目がうつろだったりする場合は、迷わず救急車を手配してください。意識がはっきりしていないのは危険な状態です。

救急車が来るまでに、少しでも体を冷やします。ただし、冷たい水をバケツなどで全身に一気にかけると、ショックを起こすこともありますので、霧吹きで全身に水を浴びせるイメージで、手やひしゃくで水を振りかけましょう。その後はうちわなどであおぎ、気化熱で体を冷やすことが大切です。保冷剤や冷たいジュースがあれば、わきの下や股など動脈が集中する部分にあてて冷やします。

熱中症になると死に至る恐れもありますが、予防法を知っていれば防ぐことができますし、適切な応急処置によって救命することもできるのです。(東大病院老年病科 医師 亀山祐美)

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