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足のむくみと体重増加が重なったら要注意 血液検査で原因判明 健康カフェ(275)

産経ニュース / 2024年7月18日 8時0分

足のむくみを訴えて受診する患者さんは珍しくありません。むくみの程度や他の症状、年齢や性別などによって、疑われる病気は少しずつ違ってきます。

もちろん、むくみの原因のすべてが病気というわけではありません。年齢にかかわらず、座っている時間が長くて夕方に足がむくみ、一晩寝ると改善するようなものは病気ではない可能性が高いです。むくみを理由に病院を受診するかは判断に迷うところですが、一般的には、急激にひどくなったり、体重増加や息切れなどの他の症状を伴ったりしている場合などは早めに受診すべきだと考えられています。

20代前半の女性が3週間程度続く足のむくみを訴えてクリニックを受診しました。首や肩の痛みもあったため、最初に受診したのは整形外科でした。ところがそこで受けたX線検査で特に異常は見られず、湿布を処方され「経過を見るように」と言われたそうです。

その後、徐々に悪化し、膝の上までむくむようになりました。この3週間で体重も3キロほど増えたといいます。両脚を中心にじんましんのような皮疹(ひしん)が出て、かゆくて眠れないし、動かすのも痛いと訴えていました。

血液検査を行ったところ、白血球の一種である好酸球が異常に多くなっていて「好酸球性血管性浮腫」という病気だと分かりました。好酸球は血液中に常にわずかに存在し、免疫機能の一部を担っていますが、特にアレルギーやぜんそく、寄生虫感染などに反応して増えるとされています。好酸球の数が増えすぎると、さまざまな臓器に障害を起こすことがあり、副鼻腔、肺、消化管など、侵される臓器によって異なる症状が出ます。日本やタイなどのアジアの国々からの症例報告が複数ありますが、この病気はあまり多くはないと考えられています。

むくみは1~2カ月のうちに自然と軽くなり、治療を必要としないことも多いのですが、症状が強い場合、少量のステロイドを短期間、内服してもらいます。通常は治療に反応してすぐに改善し始め、好酸球の値も下がっていきます。

この患者さんも症状を強く訴えていて、なかなか改善しなかったため、少量のステロイドを処方しました。するとその後は症状も軽くなり「通常の生活ができるようになった」と喜んでいました。 (しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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