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『しぶとい十人の本屋』辻山良雄著

産経ニュース / 2024年7月7日 8時0分

『しぶとい十人の本屋』

人口減少やインターネット通販の普及で、全国で書店が減っている。だからこそ「本や本屋の価値を改めて問いたい」と、東京の新刊書店「Title(タイトル)」の店主である著者が、全国の9人の同業者を訪ねて取材した旅の記録だ。

「コミュニケーションの取れる本屋でいたい」「自分がいいなと思った本に関して(売れるのを)ジッと待ち続ける」。効率性や収益の追求とは別の視点を持つ店主たちの言葉は血が通っていて温かい。

誰かにとっての居場所にもなり得る小さな「町の本屋さん」の愚直でしぶとい生き方は、豊かさとは何かを考えさせてくれる。(朝日出版社・2310円)

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