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<書評>『碧血の碑(へっけつのいしぶみ)』赤神諒著

産経ニュース / 2024年11月10日 7時40分

『碧血の碑』赤神諒著(小学館・1980円)

幕末から明治を舞台にした5編からなる短編集。新選組一番隊組長で、剣豪として名高い沖田総司の悲恋で幕を開ける。

非業の死を遂げた志士・橋本左内を懐かしむ越前福井の賢侯・松平春嶽、政略で将軍家に嫁いだ和宮、函館戦争で散った武士の遺体を集めて葬り「碧血碑」を建てた侠客・柳川熊吉…。実在の人物たちのエピソードに肉付けした。

いずれも明治維新の敗者たちに光を当てた物語。ある人物が発した「わたしたちは胸を張って、生きてまいりましょう」という言葉に、人々を翻弄した激動の時代が生々しく浮かび上がる。

(小学館・1980円)

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