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<書評>『女たちの平安後期』榎村寛之著

産経ニュース / 2024年10月27日 10時0分

親王でもない一皇族ながら平家打倒の挙兵を促した以仁王に、勝ち目はあったか。以仁王は院政を敷いた鳥羽院の娘・八条院の猶子で、八条院が鳥羽院から継承した膨大な荘園とその武装領主を勝算の根拠にしていたと著者はみる。

平安後期とは、紫式部の時代から源平合戦までの約200年。本書は、後朱雀天皇の皇后・禎子内親王や八条院ら権力を持っていた女院(にょいん)に焦点を当て、女性の政治的役割を解き明かしていく。

禎子内親王は父・三条上皇らの財産を継承し、大荘園領主として自立。院政の時代まで長生きし、摂関家を権力の座から追い落としたという。(中公新書・1144円)

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