＜書評＞『新・四季彩々』星賢孝著・写真

福島・会津若松駅と新潟・小出駅間約135キロを結ぶJR只見線。平成23年の豪雨災害で一部不通となったが、令和4年に全線運行を再開、奇跡の復活を遂げた。

その再開通記念と銘打たれた本書は、奥会津と只見線だけを撮る郷土写真家の作品集。新たに撮影した107点を収録し、不通だった区間をはじめ、奥会津の雄大な自然と只見線の魅力を伝える。

桜、川霧、紅葉、雪華など四季折々の絶景絵巻、表紙にも登場する「会津のマッターホルン」の威容、映画『千と千尋の神隠し』の列車が走るシーンを思い出させる幻想的な風景…。心にしみる一冊。（言視舎・2750円）