＜中書評＞『私の実家が売れません！』高殿円著

『私の実家が売れません！』

郊外に建つ築７５年の木造戸建ては、不動産仲介業者もお手上げの再建築不可物件。地元の自治体は寄付を受け付けてくれず、万事休す－。長年放置された祖父の家を、業者に頼らず自ら売った作家の体験記である。

ＳＮＳで無料のガレージセールを呼びかけると反響があり、家具や衣服、食器はもちろん、植木鉢の土やアルバムまで引き取り手が現れた。そしてタイミングよく、売れる見込みのなかった家も買い手がついて一件落着。

実家じまいは人ごとではない。スピード感が肝心だというアドバイスも参考になりそうだ。（エクスナレッジ・１７６０円）