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<書評>『呪詛を受信しました』上田春雨著

産経ニュース / 2024年8月18日 7時0分

『呪詛を受信しました』

北海道の町で暮らす高校2年生の伊勢湊は大好きだった母を亡くし、父の再婚相手とは折り合いが悪い。親をあてにできない彼女は、マッチングアプリで知り合った男性相手に〝パパ活〟をすることで進学費用をこつこつ貯めていた。そんなある日、同じ高校に通う飛鳥のもとに事故死したはずの友人から「死ね」というメッセージが届く。そして飛鳥は記録的な大雪の日、非業の死を遂げる。これは死者の呪いか、それとも…。

本格ミステリー風の謎解きの妙で読ませるデビュー小説。孤立を恐れず、閉塞状況に立ち向かう湊の乾いた心情、たくましさも印象深い。(宝島社文庫・800円)

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