＜書評＞『地図で見る最新世界情勢』 パスカル・ボニファス、ユベール・ヴェドリーヌ著 メッツさゆり訳

『地図で見る最新世界情勢』（原書房・3080円）

移民やテロなど世界的な課題について、フランスの地政学者と元外相が統計データなどを地図100点に落とし込んで可視化した。エネルギー課題を示した地図からは欧州の原子力エネルギー消費量の多さが見て取れるが、解説文で原子力エネは二酸化炭素を排出しないと説明するなど、欧州側の考え方が分かって興味深い。日本の反原子力運動にも言及している。

ウクライナ戦争に関する国連総会決議の地図では、ロシア非難決議の賛否を色分け。賛成しなかったアジアやアフリカの国々の「穏健な脱西洋化」を指摘している。（原書房・3080円）