千葉科学大検討委 公立化に7条件 銚子市側、学園と協議再開申し入れへ

公立化が検討される千葉科学大

学校法人「加計学園」（岡山市）が運営する千葉科学大（千葉県銚子市）の公立化要望を巡り、公立化の可否を話し合う市の有識者検討委員会は25日、第5回会合を同市内で開いた。「公立化する場合は学部・学科の再編が必要」などを柱とする答申をまとめ、越川信一市長に提出した。答申を踏まえ、市側は近く学園側に協議再開を申し入れる方針だが、学園側が応じるかは見通せない。

答申によると、公立化の可否について①まずは学園側が私立大として今後も（大学の）運営継続が望ましい②難しい場合は他の学校法人への事業譲渡などを検討③私立大として存続が困難な場合は学部・学科の再編など7項目の条件を満たせば公立化は可能－と結論づけた。

条件のうち学部・学科再編では薬学、危機管理、看護の3学部6学科ある現行の大学構成を、「看護学部・看護学科」と「危機管理学部・危機管理学科」の2学部2学科に縮小し、定員削減の検討も要望した。このほか、公立化に伴い不要となる建物や設備は学園側が取り壊し、公立化後の安定的な大学運営に必要な金融資産の移行を学園側に求めた。

学園側はこれまで、「現状のままで公立化に移行したい」と主張。公立化できなければ「大学撤退」も辞さない構えを示しており、7条件は学園側にとって「厳しい内容。受け入れるか分からない」（検討委の矢尾板俊平委員長）。

越川市長は25日、会合後の記者会見で、学園側との協議が再開すれば「私学としての存続と公立化との両にらみで進めたい。公立化ありきではない。（両者の主張に）大きな隔たりがある場合、市が安易に妥協する考えはない」と述べた。