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千葉で教員志願者減少 その背景は? 教育現場に余裕なく、ほど遠い理想像

産経ニュース / 2024年6月26日 18時40分

千葉県内の公立学校の教員を目指す志願者の減少傾向が続いている。

全国的な教員志願者の減少は、教員不足による多忙感が背景にあるとされる。中途退職や産休などで欠員が生じた教員を穴埋めできない「未配置」問題に加え、さまざまな負担が教員に重くのしかかる。

多めに採用も「未配置」増

言語や文化の異なる外国人の児童や生徒への対応、ICTや英語教育、さらには保護者対応も…。県教育委員会の採用担当者は「先生たちはどれも必要なことだと分かっているからこそ余計に頑張ってしまい、疲弊している」と指摘する。

県教委によると、未配置は公立の小中高などで計199人(5月1日時点)。毎年度、未配置を見越し、募集人数よりも多めに採用するが、年度後半になるにつれて未配置が増える傾向にある。令和5年度の場合、年度後半(今年1月時点)で計437人に上り、過去最多の445人(4年3月時点)に迫るほどだった。県教委は「毎年度、未配置がどの程度、生じるかは見通せない」(担当者)と頭を痛める。

「ブラック」印象が先行か

管理職の男性は、教員志願者が減少する要因を「『ブラック』という現場のイメージが先行し過ぎている。確かに現場の負担は増えているが、『子供たちのために頑張る』という前向きな声があるのも事実だ」と分析する。

北総地域の小学校の40代女性教員は、現状について「児童のために何かしてあげたいと思っても、働き方改革で『早く帰れ』と言われ、報告書作成や保護者対応など最低限の仕事をこなす毎日」と、時間的な余裕のなさを嘆く。

女性教員自身が教員を目指したのは、子供時代に感じた「自分もこんな先生になりたい」が動機だった。県教委によると、教員志願者の志望理由も「かつて在籍した学校の先生へのあこがれ」が最も多いという。

県教委は教員の事務負担を軽減するため専門スタッフの配置を急ぐが、児童・生徒と向き合う時間的な余裕は少ないのが実情だ。

この女性教員は、教員志願者を増やすには「生き生きと働く魅力的な先生の背中を、子供たちに見せることが必要だ」と労働環境の改善を訴える。(岡田浩明)

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