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受験勉強はなぜ予定通り進まないのか 「チリツモマウンテン」って何?  桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース / 2024年9月14日 10時0分

GYRO_PHOTOGRAPHYイメージマート

先日ある店に行くと、会員登録を勧められました。会員登録した上で支払方法を変更すると少し安くなるそうなのです。話を聞きながら頭の中で計算すると、そんなに大した金額じゃない。そのとき!「チリツモマウンテンですから……」と店の人が発してきたのです。

初めて聞いた言葉でした。「なるほど、塵も積もれば、までを日本語のまま短縮、山をわざわざ英語にして長くし帳尻を合わせているのか。ん?そんなことする意味あるか?」と思ったのですが、山よりもマウンテンの方がデカく聞こえるのです。このおばさん、普通にこの言葉を使っているということは、自分の周囲はこれで問題ないということ。今度から自分も使おうかなあなんて思いました。そんなくだらない話はおいといて——。

皆さん予定通り進んでいますかー?と聞くと、「いやあ、それが……」という声が聞こえてきそうです。それが普通でしょう。予定通り進む方が稀なケース。ではどうして予定通り進まないのか考えたことがあるでしょうか。

これ、走っている最中は考える余裕がないのです。いったん立ち止まらないと気づかない。しかし立ち止まる勇気もない。みんなそうなのです。

予定通り進まない原因の一つ目、予定を立てたときの学習時間に問題があります。多く見積もり過ぎなのです。土曜日は塾の前に時間があるから2時間くらいは学習時間を確保できそう。でも実際は昼食をゆっくり食べてなんてことになります。

人間ってそんなにテキパキと時間通りに動けません。また、見ている方も少しくらいゆっくりさせてあげてもいいかなと思うのが普通です。そんなことが「チリツモマウンテン」となり、予定の学習時間よりかなり少なくなるのです。

二つ目は、予定の問題量が多すぎるのです。1時間で算数の大問を4問という計画を立てたとします。全問正解ならいけるでしょう。しかし、うんうんと考えたり、ギブアップしてから解説をみたりする時間、これを含めると1時間で1問か2問が精一杯なのです。それでは足りないと思うかもしれませんが、1問でも2問でも先に進むことは少しずつ足元が固まっている証拠。ただテキストの上を通り過ぎているよりはよほど効果的なのです。

1問でもできる問題を増やすということ。これが「チリツモマウンテン」となり、入学試験で顔を出す問題と合致する確率を高めるのです。

予定通りという言葉に縛られると、親も子も空回りします。予定は何度も立て直すものなんだということを忘れないでください。適宜リスケジュールすることが重要です。

さて、そうして階段を一段ずつ上がっていったとします。目標まで100段あるとして、40段まで上がった。すると、40段分学力が伸びるはずなのに、それほど変わらなかった。そこで急にモチベーションが下がってしまうなんてことがあります。そうならないように、先に知っておいてください。

算数や国語は階段を上がった分だけ伸びません。上がり切る前のあたり、ある程度上がり切ってから、横で繋がるときがくるのです。そこで一気に急上昇します。この上昇が入学試験本番よりも前に来なければいけません。

どちらにしても直前になるでしょう。本当に来るのか間に合うのかと恐怖の中、あと何日と数えることになりますが、信念を持って進みましょう。中学受験で最後の急上昇を経験しておけば、次の大学受験で役に立つことでしょう。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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