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中学受験率が上昇、激化する生徒争奪戦 少子化、物価高…ハードルも

産経ニュース / 2024年8月8日 18時42分

付箋が着けられた中学受験案内。家庭によっては複数校を受験するケースも多い(鈴木健児撮影)

東京と千葉、埼玉、神奈川の1都3県でこの春に行われた中学入試の受験率が23・31%となり、過去最高となった。首都圏や関西圏で中学受験率が上昇している背景には、少子化を受けた学校間の生徒獲得競争の激化がある。ただ、家庭を取り巻く経済状況の先行きは不透明で、今後も受験率が上がり続けるかどうかは見通せない。

「4教科をバランスよく学習してきているとしても、得意教科で勝負できるということに魅力を感じる受験生は多い」。栄光ゼミナール入試情報センターの藤田利通氏は近年増えている1教科入試についてこう語る。

この春の入試では、普連土学園中(東京)など50校以上が実施。来春には光塩女子学院中(同)などでも新設され、「女子校を中心に増加が目立っている」(藤田氏)。

1教科とはいえ総合的な思考力を試す出題が大半で、藤田氏は「算数では計算力だけではなく、長文を読み解く国語力も試される」と説明する。

関西圏では首都圏以上に少子化が進行しており、サピックス小学部事業本部長の溝端宏光氏は「受験率を何とか維持している状況だ」と説明する。

このため、選抜方式の多様化によって学校側が受験ニーズを開拓している。

栄光ゼミナールによると、首都圏では、地方の私立中が東京都内に選抜会場を設ける「出張入試」も盛況だ。この春も愛光中(愛媛)や西大和学園中(奈良)など少なくとも17校が実施した。学生寮も備えており、難関大への進学実績に魅力を感じて首都圏から進学する生徒も多い。

藤田氏は「少子化への危機感は強く、地方の学校は首都圏から優秀な生徒を確保しようと、例年以上にアピールを強めている印象だ」と話す。

中学受験は経済や政治の動向にも左右される。1980年代後半にはバブル景気が、2000年代初頭には学校の授業時間を削減する「ゆとり教育」の導入が、それぞれ受験率を押し上げた。

近年は物価の高騰が家計を直撃しており、今後の受験率に影響する可能性もある。(玉崎栄次)

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