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夏休み明け「学校行きたくない」は要注意 わが家はいじめをこうして止めさせた 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース / 2024年8月31日 10時0分

takasuイメージマート

多くの地域で夏休みが終わります。社会人ですら長期休暇のあとは会社に行くのが嫌になることがあるのに、そりゃ子どもたちの中にも「学校に行きたくな~い」という子がいて当然でしょう。生活リズムが変わるというのはかなりのエネルギーがいるのです。

この「行きたくない」という気持ちにも色々あります。面倒だとか、朝起きるのがキツイだとか、よくわからないけど億劫だとか。この中でも朝起きづらい場合は「気合いを入れなさい!」と喝を入れる以外に、起立性調節障害のこともちょっと頭の隅に置いておいた方が良いかもしれません。これ、本当に起きられないようなんです。

また、いじめなどが原因で学校に行きたくないという場合もあります。学校でいじめっ子と会うことへの恐怖は相当強いストレスでしょう。新学期が始まる事実から何とかして逃げたいと思う気持ち、とてもよくわかります。

この時期になるとお決まりのように「無理して学校に行かなくていいよ」という子どもへのメッセージ記事が出てきますが、いじめは親も戦わないといけません。いじめっ子なんて可愛いネーミングに似合わないやつが実在するのです。

私の子ども時代にもいましたが、考えがぶっ飛んでいるやつ、話が通じないやつ、常識がかけ離れていて修正は難しそうなやつ、実在します。もう完全に壊れていて、善悪の判断の有無ではなく、悪への躊躇がないやつがいます。こいつらを甘く見てはいけません。また、親と話そうにも多くの場合は家庭環境に問題があります。

いじめっ子や不良がすべてそうではないんです。一時的にいきがっているだけでお熱が冷めるとまともになる者もいます。しかし、その色分けは他人ではなかなか判断できませんから、一旦はいじめっ子すべて警戒しましょう。

では、学校に行かなくてもいいのか? 一般的な話は置いておいて、ここでは中学受験の話にします。「あの有名な最難関中学は入学試験の点数しか合否の判断にしないから、学校なんて行かなくても全然問題ないよ」なんていう都市伝説もありましたが、これは外野の好きそうなネタ。合格ラインにいる親は事前に個別相談しているでしょう。

また、多くの中学校が通知表の写しの提出を求めていることからも、出願までの出席日数は気になるところでしょう。だからといっていじめの気配を見落としたり、無理に背中を押したりしてはいけません。

「隣の学区へ転校します」

実は我が家は実際にいじめにあいました。まだ中学受験を考えていない4年生のときでした。もともとトンデモ小学校だったのですが、こいつだけはマズいと警戒している子がいたのです。母親がタトゥーを見せるようなノースリーブで参観に来ていましたし、運動会でビールを飲んでいることに抵抗がない思考回路でした。ここはみんな距離を置いていたのです。うちもそうでした。

しかし、あろうことかノーマークのやつの標的にあったのです。ある日、下校しようとすると靴がなかったそうです。「あれぇ?来たとき違うところに入れちゃったのかなぁ」と思ってかなり探したというのです。そんなバカいますか?ここは3秒以内に意地悪されたと気づきたいところ。靴箱から一番近いところに職員室がある理由をわかってない。

結局、靴を盗られたか失くしたと思って申し訳なさそうに上靴で帰ってきました。よその家はわかりませんが、我が家では学校に行くような運動靴の予備なんてありませんでした。母親がすぐに買いに行ったわけですが、当然痛い出費です。

その翌日、今度はランドセルが空っぽで帰ってきました。さすがに本人も昨日の靴の件と線で繋がったようです。「しまった。初動が遅れたかもしれない」と私は思い、次の日、妻にパートを休んでもらうことにし、作戦を伝えました。

小学校というのは参観日以外は親は立ち入り禁止というわけではありません。廊下から教室の中を少しのぞく程度なら問題ないと考え突撃させました。いじめっ子に親が見張っているんだということを分からせるということが真っ先にやりたいこと。そして、すぐに動いたということで驚かせたい。そして、重要なミッションに出た。

休み時間にその子が出てきたそのとき、妻が「はじめまして。佳織のお母さんよ。よろしくね♡」と声をかけた。すると、返事もせず、逃げもせず、にらんできたというのです。小4の女の子がとっさにとった行動がこれ。帰宅してその報告を聞いて方針を変えました。

すぐに学校に出向き、校長先生に抗議すると、なんと保健室で勉強をしてしばらく様子をみましょうと言うのです。「どっちが?」とわかっていながら確認すると、いじめられたこちらが保健室送りというではないですか。狙いは別にあるのでそこはスルーし、「わかりました。隣の学区へ転校します」と伝えると、思った通り慌てふためくのです。「え?そんなことできるの?」と思う方が多いと思いますが、いじめにあったら試してみてください。

私たちは本気で転校を望み、教育委員会に行きましたが、校長先生と担任の先生が必ず守るからこの学校でお願いしたいと仰るので、残ることにしたのです。一番の理由は本人が転校する理由が納得いかないと。いじめられた方が保健室とか転校とか逆でしょって言うのです。「だからぁ~、それが的になるタイプって言ってるじゃん。正義感出しすぎはだめだからね」と言いながら、留まることにしました。

すると、どうなったと思います? 全体としては全く解決していないんです。標的が変わっただけ。あまりにも申し訳なさ過ぎて、そのお母さんのところに経緯を伝えにいきました。

いかがでしょうか。我が家の行動が強引だったかどうか、様々なご意見があると思いますが、とにかくいじめを甘く見てはいけないということ、そして、すぐに動くことの大切さをお伝えしたいと思います。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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