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全国学力テスト、基本的知識持つが論理的思考や表現力は苦手 応用力指導に課題

産経ニュース / 2024年7月29日 17時51分

29日に公表された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果からは、国語と算数・数学ともに基本的な知識や技能を身に付けている児童生徒が多いことが分かる。しかし、知識に加えて論理的な思考や、その結果を分かりやすく伝える表現力が必要となる設問になると苦手意識がうかがわれ、応用力をどう指導するかが課題となる。

小6算数 物語の記述式は正答率高く

平均正答率は67・8%。学校のよさを伝える文章を書くために生徒がつくったメモの書き表し方について、「出来事が起こった順に言葉を線でつないでいる」など4つの選択肢から適切なものを選ばせる設問は87・0%が正答。情報と情報、語句と語句などそれぞれの関係を理解して使うことができていた。

そのメモを基に条件を踏まえて文章の空欄を記述する設問の正答率は56・7%。「目的や意図に応じ、自分の考えを伝える」という目標は「課題がある」(国立教育政策研究所)と指摘された。

一方、物語文を読んで心に残ったところとその理由をまとめて書くという問いには72・7%が正答しており、「人物像や物語の全体像を具体的に想像したり、表現の効果を考えたりすることはできている」(同)。

小6算数 深い知識習得や活用が苦手

平均正答率は63・6%だった。作成途中の直方体の見取り図について、辺として正しいものを選ばせる問いの正答率は85・6%。一方、直径22センチの球がぴったり入る立方体の体積を求める式をかかせる設問は36・9%の生徒しか答えられなかった。図形について基本的な知識・技能は身に付いているが、深い理解を伴う知識の習得や活用に課題があるとされた。

記述式は算数でも課題に。桜が開花した月が3月だった回数と4月だった回数を年代ごとに表す折れ線グラフを読み取り、それぞれの違いが最も大きい年代がいつで、その違いが何回かを書かせた設問の正答率は44・2%と半数を割った。国立教育政策研究所は「グラフを読み取り、見いだしたことを表現できるように指導することが大切だ」と指摘した。

中3国語 文章と図の関係解釈が弱点

平均正答率は58・4%。記述式以外の問いでも課題がみられた。さまざまな形の葉が示された図を踏まえ、文章を読んだ上で、4つの選択肢から葉の役割を適切に説明したものを選ばせる設問の正答率は36・7%にとどまった。文章と図を結び付け、その関係を踏まえて内容を解釈することに課題があるとされた。図表がある場合とない場合を比べ、話し合わせることで「筆者が図表を用いた意図を考えられるようにすることが有効だ」と指導改善案を示した。

物語を書くために集めた材料を取捨選択した意図を説明したものとして適切な項目を選択させる問いは81・5%。目的や意図に応じて、集めた材料を整理し、伝えたいことを明確にする力を測る設問だったが、子供たちがそうした力を身に付けていることが分かる。

中3数学 問題解決の方法説明が低調

平均正答率は53・0%だった。ストーブの使用時間と灯油の残量について、機器設定が強弱それぞれの場合を表すグラフで座標の値が何を表しているかを選択させる設問には、83・7%が正解。一次関数の基本的な知識・技能の習得が裏付けられた。

ただ、ストーブの使用時間について式やグラフを使って記述させる問題の正答率は17・7%にとどまり、問題解決の方法を数学的に説明する力の不足が浮かび上がった。

車型ロボットの進んだ距離について、「速度が速くなるにつれて進んだ距離が長くなる傾向がある」と主張できる理由を説明させる設問の正答率は26・4%だった。前年度に出題された似た形式の設問も33・9%と振るわず、子供たちが苦手としている傾向がうかがわれた。(玉崎栄次)

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