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大学生になるための中学受験とは限らない 置かれた場所で咲きましょう   桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース / 2025年1月25日 11時0分

今年も中学受験が始まった=さいたま市の栄東中学

金曜ドラマ『下剋上受験』(TBS)から8年が経ちました。時が経つのは早いっ!娘もすでに大学生で毎日一体何をしているのかわかりません。なぜか居酒屋のアルバイトが好きで、春休みは稼ぐぞ!なんて張り切っています。

ところで、ドラマで娘の役をしてくださった子役は「山田美紅羽(やまだみくう)」さんと言います。今どうしているのかな?と思ったら、昨春、法政大学の社会学部に合格したそうです。芸能活動を中断して頑張り見事第一志望校に合格したとのこと。おめでとうございます。

でも、そんなはずはないんです。ドラマの収録中に楽屋で小学校の宿題をしていたのを見かけたのですが、漢字ドリルがあまり出来ていなかった。ご本人も「勉強は苦手」と言っていました。それなのにMARCHに合格ということは、急に勉強に舵を切ったのでしょう。

このように、勉強に本腰を入れてみると大化けする子がいるのです。小学校低学年で習い事に夢中だった子が中学受験塾に入塾した。すると、ゲームのようなノリでライバルと競い合いグングン伸びていく。ただ習いに来ている子もいれば競いに来る子もいる。それは親の持って行き方だと思うんです。

また、入学後、中高で化ける子はたくさんいます。小学生の頃って大学のイメージがほとんどない。ところが、高校生にもなるとはっきりと見えてきます。〇〇大学に行きたい!という原動力が。

どんな動機でもいいと思うのです。大学に行ってバイトして遊ぶぞー!でもいい。高校生は本当に多感な時期ですから、邪念だらけで勉強が手につかない。さらにスマホが邪魔をする。普通は勉強なんてやっていられないと思うのです。そこをちょっと我慢してやりたいことを大学に先送りする。すると、本当に遊んでばかりの大学生になるわけでもなくて、大人の仲間入りをする年頃ですから、しっかり勉強もしてくれるでしょう。

大学生って本当に楽しそう。自動車教習所は「車校」というそうです。バイト先は「バ先」というそうです。そんな言葉は、娘が大学生になるまでまったく知りませんでした。羨ましいなあと思います。

その大学生活を手に入れるための中学受験なのか。確かに近道でしょう。しかし、私立中学の少ない地方ではそんな子は少ないですし、多くは高校生になって初めて大学入試を意識するのです。第一志望校に合格できなくてもがっかりすることはない。置かれた場所から咲けばいいのです。

ところで、医学部に通う娘の話からひとつご紹介します。医学部はとんでもない勉強量で、テストの範囲も広いそうです。特に暗記量が凄いらしく、要領の悪い子はすぐに再試験になるそうなんです。それもしくじると留年。「おいおい、留年なんて勘弁してくれよ。しっかり勉強してストレートで卒業してくれなきゃ」と発破をかけるわけです。

当然ですが、「そんなことわかってるよー。留年したい子なんていないでしょう」と言い返し、さらに娘は言います。「だってね、留年すると名前が変わるんだよ。金髪留年とか眼鏡留年とかさ。そんな風に呼ばれるのはさすがに耐えられないよ」。なるほど、これが原動力か。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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