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財務省VS文科省 教員給与問題〝決着〟 半世紀ぶりの待遇改善へ 自民文教族の力弱まる

産経ニュース / 2025年1月8日 19時4分

公立学校教員の処遇改善を巡る文部科学省と財務省の対立は、条件なしで給与を段階的に引き上げることで決着し、文科省は、今月24日に召集予定の通常国会に教員給与特別措置法(給特法)の改正案を提出する。令和7年度予算案には、残業代の代わりに上乗せ支給する「教職調整額」を現在の基本給の4%から5%への増額を計上。成立すれば、昭和47年の同法施行以来、初の増額となる。

両省の綱引き激化

調整額は昭和46年に制定された給特法に基づき支給されている。ただ、その根拠は41年度の平均残業時間の月8時間程度を元に算出され、半世紀変わっていない。

このため、予算編成の過程で、教職調整額を一気に13%に引き上げることを文科省は要求。しかし、財務省は働き方改革の進捗に応じた段階的な引き上げを主張し、所定外の勤務時間に見合った残業代を支給する制度変更にまで踏み込んだため、両省の綱引きは激化した。

もともと文科省の要求は、教職調整額を10%以上に増額するとした自民党の提言を反映した政府の経済財政運営指針「骨太方針」に基づいている。昨年10月の衆院選で与党が過半数割れしたことなどから、文科省幹部は「自民党文教族の力が弱まったことが予算編成にも影響した」と漏らす。

最終的には、文科省が求めていた中学校の35人学級化を財務省が認めたことなどから、教職調整額を条件をつけずに段階的に引き上げることで折り合った。令和8年度から公立中学校の1学級当たりの上限人数を現在の40人から35人に順次引き下げ、教職調整額は12年度までに10%とする。

7年度に小学校の35人学級化が完了する中、今も中学校では40人学級が続いている。生徒への対応量が増える中、教員の負担軽減を模索する文科省にとっては大きな前進となる。

教職人気回復に

文科省は教員の待遇改善により、教員不足が問題となっている現状から、教職人気の回復にもつなげたい考えだ。文科省と財務省の大臣折衝では、今後5年間で残業時間を3割削減し、月30時間程度にすることを目標に掲げた。

7年度予算案では、教職調整額を4%から5%に引き上げるため、21億円(8年1~3月分)を計上。給与改善として、学級担任の教員に月3000円を加算するほか、小6の35人学級化や、小学校教科担任制の4年生への拡大などで教員定数を5827人増員する。(楠城泰介)

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