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<独自>朝鮮学校に「南北統一」教育禁じる指示 総連内部文書 韓国との平和統一放棄で

産経ニュース / 2024年6月26日 17時44分

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が韓国との平和統一の放棄を表明したことを受け、朝鮮学校に「自主統一」「一つの民族(ハンギョレ)」などの表現を使った指導を禁じる指示が出されていたことが26日、分かった。産経新聞が入手した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の内部文書で判明した。朝鮮学校は「自主的平和統一」を掲げる総連の綱領を踏まえた教育を行ってきたため、本国の方針転換で混乱が生じているという。

朝鮮学校の指導に朝鮮総連の影響があることが明らかになったことで、補助金の支出を継続している一部の自治体は対応を求められそうだ。

正恩氏は今年1月の最高人民会議の演説で、韓国を「徹頭徹尾、第1の敵対国」と呼び、南北統一の放棄を表明。朝鮮総連は、この動きを踏まえて「対韓政策路線転換方針の執行について」と題する内部文書を示した。

文書では、「傀儡(韓国)らを同族に誤認しうる学習資料、編集物は一切使わない」と明記。朝鮮学校の指導で、韓国側を意味する「南朝鮮」や、朝鮮半島全体を指す「三千里」、「自主・平和統一・民族大団結」といった表現も「一切使用しない」と指示した。

校歌も南北統一を思わせるような歌詞を歌わないように要求。書籍、旗、Tシャツなども含めて朝鮮半島全体が描かれた地図の使用も禁じた。

また、「既に発行された祖国統一関連の出版物は、そのままにしておくものの、教育と学習においては一切使わず、今後再び出版・発行する際に全面修正する」とした。

朝鮮総連は「祖国の自主的平和統一」を綱領に掲げ、朝鮮学校でもその方針の下で教育が行われてきた。高校にあたる朝鮮高級学校で使われている社会科教科書では、韓国社会や南北統一に向けた動きが手厚く記述されており、授業内容や学校活動などの大幅な見直しを迫られそうだ。

朝鮮総連の内情に詳しい関係者によると、韓国籍の総連関係者も多く、総連内部では本国の方針転換に対する抗議意見書の提出が提案されるなど反発が目立っている。朝鮮学校の保護者の一部からは「日本の学校に通わせる」との声も上がっているという。児童生徒数の減少によって増えている学校の統廃合の動きが加速する可能性もある。(大渡美咲、玉崎栄次)

北朝鮮の統一路線転換

金正恩朝鮮労働党総書記は今年1月、最高人民会議の演説で、韓国を「第1の敵対国」とするよう憲法改正を指示した。同じ民族同士が平和的に南北統一するという半世紀にわたって掲げてきた対韓国政策を転換した。路線転換には、韓国文化の流入による危機感や米韓との対立などが背景にあるとされるが、明確な理由は分かっていない。

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