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夏休みの官公庁見学活況 官僚・法曹志望者回復に結びつくか

産経ニュース / 2024年8月24日 21時15分

最高裁の大法廷で、黒い法服に身を包んで判決の言い渡しを体験する小学生を保護者が撮影していた=7月30日午後、東京都千代田区(橘川玲奈撮影)

夏休みに合わせて裁判所や省庁などの官公庁が開く子供向けの職場見学会が人気を博している。「ブラック職場」というイメージや批判もあり、国家公務員や裁判官などの志望者は減少傾向が続く。見学会は子供や保護者に職場の魅力をアピールする絶好の機会だが、志望者の回復に結びつくかは未知数だ。

10倍近い応募

7月30日午後、最高裁の大法廷で小学生が判決の言い渡しを体験した。

夏休みに合わせた最高裁の子供見学会。参加した小学6年、金井千咲さん(11)は「前から裁判官になりたいと思っていたがやっぱりかっこいい」と目を輝かせた。

見学会は小学4~6年生が対象。最高裁によると、インターネットで先着150人を募集し、開始2分で定員に達した。

財務省や外務省など29の政府機関は今月7~8日を中心に、小中学生向けに毎年恒例の「こども霞が関見学デー」を実施。文部科学省の大臣と話す企画には定員の10倍近い応募があった。

同省家庭教育支援室によると、霞が関の見学会は平成8年に文部省(当時)の職員の子を対象に職場見学の形でスタート。同様の取り組みが各省庁に広がり、対象も職員以外の子供に拡大して今の形になったという。

志願は減少傾向

見学会の人気とは対照的に、国家公務員や裁判官、検察官、弁護士からなる法曹界の志願者は減少傾向にあり、人材確保は喫緊の課題だ。

司法試験受験者は、減少傾向が続いている。令和5年は8年ぶりに受験者が増えたものの、3928人と平成25年の半分程度となっている。

国家公務員も同様だ。いわゆる「キャリア官僚」の総合職試験の申込者は、平成25年には2万4360人だったが、令和5年は1万8386人で、10年間で4分の3に減少。霞が関は深夜残業が異常に多いというイメージも不人気に影響しているとみられる。

文科省家庭教育支援室によると、子供の見学会は「子供に省庁の仕事を知ってもらう教育の目的で実施している」。見学者を将来の志望者に変えるには、採用側の努力が今後も求められそうだ。(橘川玲奈)

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