受かっているのに浪人する「合格浪人」の割合が増加、河合塾で史上最高3割に
産経ニュース / 2024年10月2日 13時0分
来春の一般入試を目指す受験生たちにとって、これからラストスパートの時期に入る。今年度の受験生はどんな傾向なのか。30万人が受験する全統共通テスト模試の志望データなどをもとに、大手予備校「河合塾」の主席研究員、近藤治さんに2025(令和7)年入試の動向を聞いた。
新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)していた時期は、地元志向が高まり、地方受験生が首都圏の大学を敬遠する傾向もみられたが、コロナ禍の落ち着きを受けて、受験生の都心人気が復活している。
早稲田大・慶応大・上智大・東京理科大の首都圏の難関私大は志望者109%と人気。続くマーチ(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)も105%で志望者は増加傾向だ。日東駒専(日本大・東洋大・駒沢大・専修大)も103%と増えている。
一方、関西圏は関関同立(関西大・関西学院大・同志社大・立命館大)が101%で、産近甲龍(京都産業大・近畿大・甲南大・龍谷大)は96%と関西圏の大学の志望者数は首都圏に比べると、落ち着いている。
分野別でみると、コロナ禍で激減していた人文、外国語、国際は回復傾向。どん底を脱した。理系を選択する女子も増えており、特に工学系の伸びが目立つという。
近藤さんは「夏に必死に勉強したという人も多いと思うが、現役生は最終盤まで成績が上がらない人が多いもの。秋から冬にかけて頑張れるかどうかが大事だ」と話していた。
河合塾では今年度、合格した大学があったにもかかわらず浪人した合格浪人の比率が塾生の約30%と過去最高だったという。近藤さんは「大学全入時代が到来するなか、ただ合格するだけなら難しくない時代。ぜひ行きたいと思う大学を目指してほしい」と話していた。
◇
こんどう・おさむ 学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。長年にわたり大学入試動向分析を担当。研究開発、学校サポート事業、塾生指導等に携わった後、令和3年より現職。生徒、保護者、高校教員対象の講演も多数実施している。
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