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「別学は埼玉の特色」県立高校の共学化問題で県議は反対が多数 有志団体がアンケート

産経ニュース / 2024年6月24日 15時48分

共学化問題で揺れる県立浦和高校=さいたま市浦和区

12校の男女別学校がある埼玉県立高校の共学化問題をめぐり、共学化に反対する有志団体が県議会議員に実施したアンケートの結果が分かった。92人いる県議のうち回答のあったのは36人で、このうち共学化に賛成していたのは5人にとどまっていた。制度上、共学化について県議会が関与する余地は少ないが、団体関係者は「県議の考えを知りたい。さらに、自分たちの考えを県議に説明する際に必要だと思いアンケートを実施した」としている。

アンケートを実施したのは「埼玉県内高等学校連携有志」。県内約50校の公立高校卒業生や保護者有志が参加しており、インターネットで共学化反対の署名活動を行うなどしている。

アンケートは5月1日までに県議に届くように送り、同月7日までの回答を求めていた。質問項目は共学化に①賛成②反対③どちらでもない-などとその理由を聞いている。

共産も早急な共学化には疑問

会派別で回答者数をみると、最大会派の自民(57人)は3人にとどまった。それ以外では民主フォーラム(12人)が11人回答。無所属県民会議(7人)▽無所属(3人)は全員が回答し、公明(9人)と共産(3人)は会派として回答した。無所属改革の会(1人)の回答はなかった。

回答は共学化賛成が5人、反対が15人、どちらでもないが16人となった。賛成と回答したのは共産と民主フォーラムの2人。ただ、共産は理由として「歴史的背景、ジェンダー平等の進展から別学を望む者もいる。急ぐことなく共学化を進めるべきだ」などとしており、早急な共学化には疑問を残した。

一方反対の意見では「別学教育は埼玉の特色。共学化に断固反対」(無所属県民会議議員)、「特色のある学校の存在が大切」(民主フォーラム)などとなった。回答が少なかった自民は回答してきた3人とも共学化反対だった。

公明は「どちらでもない」で、「ジェンダー平等も伝統尊重も理解。単に共学の是非ではない。今後在校生・保護者・卒業生意見を聞き合意形成を図りながら議論を進める」との理由を挙げていた。

共学化問題の決定権は県教育委員会にある。ただ、県教委の決定について賛成、反対の立場からの請願などが県議会に提出されることも予想される。

保護者は大半が反対

県立高校の共学化問題では、12校ある男女別学校生徒の保護者代表が保護者を対象にしたアンケートを実施し、結果を県教育委員会に提出している。この際、県男女共同参画苦情処理委員からの勧告に対する県教委の報告に際しては、保護者の意見を十分に検討することを求めた。

アンケートは別学校10校の保護者に共学化①賛成②反対③どちらでもない-を問うもので、5~9割が共学化に反対だった。反対が最も多かったのは浦和高の93・5%。次いで浦和第一女子高の90・6%。最も少なかったのは鴻巣女子高の55・8%だった。

熊谷高と熊谷女子高では「共学化反対意見が多数を占めることが予想される」などとして、アンケートを実施しなかった。

共学化賛成の意見には「異性とともに学ぶことが異なる価値観を理解し、自己表現を発揮できる人材育成につながる」などがあった。一方、共学化反対では「生徒と保護者から多数の支持がある別学を廃止することは、多様性を尊重する現代において矛盾する行為」などとなった。

■埼玉県立高校の共学化問題

県男女共同参画苦情処理委員が令和5年8月、県教育委員会に「県立高校の共学化が早期に実現されるべきである」との勧告したことをきっかけに問題化。県教委は6年8月末までに勧告に対する報告が求められている。県教委は当事者の声を聴くため、男女別学校の生徒や保護者の意見聴取を実施したり、県内の中高生とその保護者を対象にしたインターネットアンケートを行ったりしている。

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