まさかの麻布中合格 受験勉強は好きなことへの「没頭力」が鍵 アナウンサー吉田尚記さん 私の受験時代
産経ニュース / 2024年12月16日 10時30分
ニッポン放送のアナウンサー、吉田尚記(ひさのり)さん(49)は、中学受験の経験者で、来年春から東京大学大学院の院生となる。どの受験も気張らない姿勢で勉強を楽しんだという。学びに貪欲なトークの達人は「好きな勉強だけやっていればよくないですか」と飄々(ひょうひょう)と語った。
大学院への進学を意識したのは、アニメ「邪神ちゃんドロップキック」の宣伝プロデューサー、栁瀬一樹さんに勧められたから。栁瀬さんが東大大学院に通っていて、面白そうだなと思いました。
以前からコンサート会場にいる幸せそうなファンが気になって、「幸福学」を研究したいと思っていたんです。なかでも圧倒的に幸福に満ちあふれていると感じていたのが、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のファン「モノノフ」。目指したのは東大大学院の情報学環・学際情報学府の社会情報学コースです。「モノノフ」に着目し「推し活はウェルビーイング(心身の健康や幸福)をもたらすのか」を研究する計画書を作りました。
書類選考を経て、今年の夏、オンラインの口述試験で取り組みたい研究などについて説明しました。受験準備では『「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か』など研究に関する本を読み漁(あさ)り、多くの知見が得られました。
歴史小説で背景を知る
小学生の頃も落語など興味が湧いたことをすぐに本で調べる子でした。4年生から大手学習塾に通い、得意だったのは国語と社会。教科書や塾のテキストを読むのが楽しかったからです。「議院内閣制」や「三権分立」など世の中の仕組みを知るたびに、「へー」を連発していましたね。
要点ばかりのテキストでは面白みが足りないなと感じたときは、司馬遼太郎さんの歴史小説などを読んでいました。大河ドラマで見た歴史上の人物にまつわる本も。歴史を知り、イメージが湧くようになると、テキストの要点がすんなり頭に入るようになるんです。このやり方は社会が苦手な小学生に伝えたいですね。
僕の苦手科目は理科と算数。心の底から分からないと思うときもありましたが、その一方で得意科目の成績を伸ばしました。
読む力生かされた
目指したのは東京の私立男子校、麻布中学・高校です。文化祭でパソコンを使う生徒のかっこよさに魅了されちゃって。
麻布中の国語の過去問に使われた作品の全文を書籍で読んでみて面白いと思った記憶があります。問題も読み物として小学生をうならせるのを狙いながら作られていたのではないでしょうか。
それでも塾の麻布中の受験対策コースでは成績が下位のほうでしたから、まさか受かるとは。塾で合格確率80%以上に一度もならずに迎えた入試でしたが、緊張した覚えはないんです。そんなに結果にこだわっていなくて。歴史などを学ぶ楽しさを知り、これまでにやってきたことは無駄にはならないと感じていましたから。
合格して麻布中に入るとSF作品が好きになり、苦手だった理科でも特定分野には興味が湧いて、その成績が良くなりました。「弱点を克服せよ」なんて言う人もいますが、好きになったことから勉強していけばよいのではないでしょうか。そのほうが理解しやすいはずです。
振り返ってみると、読書が苦にならないというのがどの受験でも役に立ちました。慶応大の入試でも、読む力が生かされたと思います。今も移動中の電車内では、電子書籍を読むのに没頭しています。何かにのめり込むと、時間が飛ぶように過ぎる感覚を味わえませんか?
そんな「没頭力」に大きな価値があると思っています。釣りに夢中になる人もいれば、理論書を読むときに集中力が高まる人もいるはず。人にはそれぞれ「ゾーン」に入りやすいものがあると思います。
入試に向けてラストスパートをかける人に勧めたいのは、テンションが上がる勉強です。気分が高揚して受験勉強に没頭できるようになったら、結構、楽しめると思いますよ。(竹中文)
吉田尚記
よしだ・ひさのり 昭和50年、東京生まれ。慶応大文学部卒。平成11年、ニッポン放送に入社。主な担当番組は「ミューコミVR」など。『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』など著書多数。
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