最難関中の校門「あなたは私の誇り」試験に向かう娘を送り出す母も涙 親たちの受験ドラマ
産経ニュース / 2025年1月20日 7時0分
関西での中学受験が1月18日から本格的に始まった。中学受験大手の日能研関西によると、昨年入試の受験率は10・17%と2年連続で10%の大台を超えたが、今年はそれを上回る勢いすらあるという。
大阪市天王寺区の四天王寺中学校では、定員270人に対し、706人が出願。もっとも倍率が高い医志コースで3・9倍だった。この日は午前8時の開門予定だったが、早くから受験生が集まり、開門時刻を10分早めた。
四天王寺中といえば、大阪の女子児童にとっての最難関の中学校。幼い頃から放課後を塾で過ごし、長い準備時間を経てこの日を迎えた受験生が大半で、わが子を試験会場に送り出す保護者にとっても感慨深い瞬間だったと思われる。
高校受験や大学受験とは異なり、幼い小学生が受験にチャレンジする中学受験は、保護者のサポートなしでは難しい。「中学受験は親の受験」という言い方をする人もいるぐらいだ。
この日、校門の前では試験開始を前にすでに感極まって泣き出しそうな受験生がいた。これから重大な試験に向かうのだということを小学生なりにも十分理解しているようだ。
その様子を見守っていた母親が目に涙をためながら肩を抱き、「よくここまで来ることができたね。この場に立つことができたあなたを誇りに思う。いつも通りの力を出してきて」と語りかけていた。
また、別の保護者は試験会場へ向かうわが子を姿が見えなくなるまで見送った後、合格を祈るように目を閉じ手を合わせて長い間、その場にたたずんでいた。
学校前には学習塾関係者も多数激励に駆けつけた。ある受験大手は校名が書かれた旗を手に講師数人が並び、「頑張ってね」「行ってらっしゃい」と塾生をグータッチで送り出していた。
近くには受験生ではない小学生女児たちが保護者とともに、そうした風景を見守っていた。小学5年生の女児で来年、四天王寺中への受験を目指しているという。1つ年上の先輩たちが受験に向かう風景を目に焼き付けることで、学習のモチベーションにつなげようという狙いらしい。来年の受験に向けての準備が、もう始まっていた。(木ノ下めぐみ)
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