リアル中学受験 今でも悔やむ父親の軽率な発言と、胸に響いた長男の詩の言葉 リアル中学受験-わが家の場合
産経ニュース / 2024年9月20日 13時0分
長男の試験結果に一喜一憂した私立中入試から半年以上が経過しました。第1志望だった大学付属の中高一貫校への入学は実現しませんでしたが、第2志望だった別の大学付属の中高一貫校へ今春入学しました。長男の受験生活の日々を約2年間にわたり父親として間近で接してきた私が印象に残ったことは、親が持つ発言の重みと、長男が受験後に残した「救いの言葉」でした。
ゲームを突然封印した長男
中学受験をするきっかけとなったのは、長女の高校受験でした。自宅近くの区立中学校から都内の私立高校に進学した長女を巡り、内申点の獲得で苦労していた話を妻から聞いていました。内申点を気にすることなく、地に足をつけて中学・高校の6年間を過ごしてほしい-。それが長男に対する願いであり、長男もまた、中学受験を希望しました。
通っていた学習塾が実施する模試の偏差値は小学5年生まで50台。しかし、6年生になったある日、自身の持っていた携帯ゲーム機を妻の実家に突然置いてきました。「入試が終わるまではやらない」。長男が自らに課した決め事には固い決意が感じられました。
入試へのモチベーションを高めるのに最適なのは、やはり学校説明会への参加でした。長男の場合は受験する学校を4校に絞りましたが、いずれも学校説明会に長男とともに参加。部活や生徒の雰囲気、自宅からの距離などを事前に把握しておくことで、入学後のイメージを抱くことができました。パンフレットだけでは分からない学校の細かい様子を知ることは、今になって思えば大切なことでした。
受験直前で父親が犯した「ミス」
長男は夏期講習、冬季講習で1日当たり10時間以上にわたって学習塾に通い詰めました。受験間近の冬場になれば、学習塾の通常授業がない平日でも午後10時まで自習という日々を過ごしていました。6年生の2学期に実施された学習塾の模試では60台の偏差値をマークするまで結果も追いついてきました。
学習塾終了後、長男と待ち合わせ場所にしていた近所のコンビニでは、学習塾での反省点や、予想以上に成果があった点などを話し合うのが日課でした。学習への意欲、悩み事など、その日の長男の様子をチェックできる大事な機会ととらえていました。しかし、入試を約1週間後に控えたある日の夜、私は帰路の途中であるミスを犯しました。
「受かったらラッキーぐらいの気持ちで、気楽に臨めばいいよ」
それは、志望していたある学校について、気負わずに入試に臨んでほしいという思いから発した言葉でした。しかし、長男から返ってきた言葉は「最初から落ちると思って(入試を)受けると思う?」。その目には、大粒の涙がたまっていました。「中学受験」という真剣勝負に挑む長男に対し、軽率な発言だったと自らを恥じました。
子供は受験期間中、見た目以上に神経を張り詰めています。受験中の子供に対する言葉遣いには、細心の注意を払う必要があると痛感しました。
成長した姿が最大の「結果」
1月中旬に第4志望だった埼玉県内の私立中に合格し、2月1日に受験した東京都内の第2志望にも合格。しかし、2日、4日に受けた都内の第1志望の入試は、いずれも突破できませんでした(3日に予定されていた第3志望の入試は受験せず)。
第1志望への入学が叶わず、当初は落ち込んでいた長男でしたが、第2志望だった中高一貫校は高校ラグビー部や高校サッカー部が全国制覇の経験もあるなどスポーツが盛ん。大学付属ではあるものの、大半の生徒は国公立大や難関私立大への進学を希望しており、文武両道をモットーにしています。「中学生になったら、好きなことをやればいい」とアドバイスしたことで、次第に表情にも笑顔が戻ってきました。
入試が一区切りした2月下旬。通っていた小学校を訪れた際、教室に貼られていた長男の詩の一節に、思わず目が奪われました。
「希望というのは、絶望から生まれるものと感じた」
わずか12歳で「絶望」を味わせてしまっていたのか。私立中の受験をさせたことは果たして正しかったのか-。さまざまな思いが詰まった長男の言葉に、思わず胸が詰まりました。ただ、「希望」という一言が書かれていたことに、挫折から一歩前に踏み出そうとする思いも感じ取れて、父親としては救われた思いになりました。
進学した中高一貫校までの通学時間は約1時間。毎朝午前6時前には起床して通学しています。当初は友人ができるか不安に思っていた長男でしたが、親しい友人もできたようです。
中学入試では、合格という「結果」はもちろん大事です。しかし、入試までの過程で確実に成長した長男の姿を間近で見られたことは、私にとっては最大の「結果」となりました。
東京都練馬区 寅年生まれの寅さん(一男一女の父)
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