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夏休み間近、復習には「ガンガン勉強」より戦略が必要 さあ、親の出番です 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース / 2024年7月6日 10時0分

AFRC_074/イメージマート

夏は受験の天王山なんていいますけれど、実は夏に大きな成果を得た子の方が少ないと思います。

中学受験をする道を選んだために、夏休みにもかかわらず毎日塾に行っている。当然疲れた顔をして帰ってくる。だから「頑張ったね」と言ってやりたくなるのです。

ところが模試の結果に反映されていないことを知り、この夏は何だったんだと怒りが込み上げてくる。そりゃそうです。復習といっても皆が同じところをやるわけです。

全部必要な子はそもそも復習の前の段階ですし、半分必要な子はもう半分が無駄。私の経験では、そもそも復習のやり方って相当難しい。ただ問題を解き直すなら、それは解き方を覚えているだけになってしまうでしょう。

もちろんそれで良い単元もあるのです。例えば、つるかめ算は何度かやればもう覚えてしまうでしょう。思考する話しじゃない。数表も同じで、数え方を覚える学習法で良いでしょう。しかし、速さの問題は種類も多く標準的な問題でも思考する場面があります。難問になると解き方を覚えても無駄。間違えたからと10日後に解き直しをしてもそれは種明かしを知ったあと。そんな復習に意味はないのです。

良い復習とは、初見のときどうして気づかなかったのかを考え、自分の頭の中にどんな武器が足らなかったのかを見つけ出す作業。ダイヤグラムを図形で捉える発想にはならなかったなとか、与えられた条件が少ないときは比を使うんだなとか、思考をどこへ向けるのかを見直す作業が良い復習で、一定期間置いてから解き直すのが力の付く復習ではないことが多いのです。

賢い子というのは、そういうことも含めて賢いんだと思います。研究型の勉強ができる。それは勉強で良い結果を出すことをゲームのように楽しむことができるのかもしれません。

それができないうちの子のような場合は、初見のときはどうして気付かなかったのかをヒアリングし、思考をどこへ向けるのか見直すように仕向けてやらなければいけません。補助が必要なのです。

別に学習段階で補助してもルール違反ではありません。受験本番までは問題ないのです。そんなことして本当の力がつくの?と思ってしまう方もいるでしょう。それも問題ありません。入学してから賢い子たちに囲まれて成長していきます。うちの場合は、ひょこひょこついていっていたみたいですが。

もう夏なのです。特に6年生は時間がない。ガンガン勉強するよりも、戦略を持って復習しないと力に変わらない。これまで塾のアドバイスで大して伸びていないのであれば親の出番。ところが、親が口を出すと途端に機嫌が悪くなるという相談も多い。これは突然親がやる気を出すからだと思うのです。一度話し合って、親の出番をうまく伝えることが大切かなと思います。

そうはいってもなかなか行動に移すことができていない皆様、もう時間がありませんから私が背中を押させていただきます。オンライン講演会へお越しください。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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