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「今の学びに合う」「課題は多い」 デジタル教科書検定対象 現場からは期待と不安の声

産経ニュース / 2025年1月22日 8時0分

文部科学省がデジタル教科書を検定が必要な教科書として認め、各教育委員会が紙の教科書とのどちらかを選択できる制度の導入を検討していることが21日分かった。同日の中央教育審議会(中教審)の作業部会で示された。選択的とはいえ導入が実現すれば、教科書のあり方が根本から変わることになり、学校現場からは、さまざまな声が漏れた。「今の学びに合う」「課題は多い」。不安と期待が交錯した。

令和3年度から英語のデジタル教科書を積極的に活用してきた大阪府枚方市立禁野(きんや)小学校の英語専科指導教諭、角崎洋人教諭(47)は「紙の教科書を開くようにほぼ毎回授業で使っており、もうデジタル教科書無しの授業は考えられない」と国の方針を歓迎する。

速度を落として、ネーティブの発音を何度も聞き直したり、ページのリンクから関連資料を見たりと「今の子供たちは自分で学習方法を選び取る世代。児童一人一人が自分のペースで学べるデジタル教科書は今の学びに合う」と話す。「コロナ禍以降、教員側もデジタル機器を使った授業になじみがあり、すぐに使いこなせるのではないか」とみている。

ただ、デジタル教科書の活用について不安視する声もある。大阪府八尾市のある公立小学校校長は「デジタル教科書をあまり使っているところを見たことはない。使用は限定的で、あくまでも紙の教科書の補助的な活用にとどまるようだ」と話す。紙の教科書への安心感や使い慣れた方法で指導したいという教員の心理が働くとし、「インターネット回線の状況的にデジタル教科書を学校で一斉に開くことができるのかなどわからない部分も多く、運用できるかどうか」と首をかしげる。

大阪府教育庁の担当者は児童生徒の転校時の手続きについて懸念。紙の教科書やデジタル教科書の採択は市町村単位で委ねられている。他の自治体へ転居する児童生徒はデジタル教科書ごと端末を返却するため、「紙の教科書は手元に置いておけるが、デジタル教材は見返すことができなくなるのではないか」という。学びの継続性の面で、「現行の制度ではカバーしきれなくなる。議論すべき課題は多いだろう」と懸念する。(木ノ下めぐみ)

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