熱中症対策など「不十分」 大阪府吹田市が学校単位での万博招待事業の参加見送り

大阪府が2025年大阪・関西万博に府内の小中高生らを学校単位で招待する事業について、同府吹田市が参加を見送る方針を固めたことが30日、市への取材で分かった。会場内での熱中症対策や引率時の安全対策などが「不十分」としている。自治体単位での参加見送りは交野市と熊取町に次いで3例目となる。

吹田市教育委員会は29日付の文書で、市立小中学校全54校の児童・生徒の保護者宛てに、学校単位での万博招待事業への見送りを通知。理由として万博会場での昼食場所や待機場所での熱中症対策、団体行動の導線や点呼・待機場所の確保が不十分とした。

市教委によると、昨年7月以降、府教育庁に対して児童・生徒の健康維持や安全確保の具体的な方策を問い合わせ、各学校の意向も確認したところ、反対意見もなかったことから学校単位での参加の見送りを決定。児童・生徒には府から配布される入場券で家庭ごとに来場できることを案内する。