地鎮目的か 「因幡薬師」近くでミニチュアサイズの仏像など出土
産経ニュース / 2024年7月4日 13時14分
「因幡薬師」の名で知られる平安時代の薬師如来像をまつる因幡堂平等寺(京都市下京区)近くの平安京跡から、13世紀の鎌倉時代に製作されたとみられる土製の仏像や宝塔のミニチュアが多数出土した。創建当初に堂が建てられたとされる場所にあたり、寺の当初の姿を解明する上で重要な史料になりそうだ。
平等寺は平安時代後期の11世紀、橘行平が国司で赴任した因幡で海中から引き揚げた薬師像をまつったのが始まりとされる。薬師像が行平を慕って京に飛来したとする逸話も伝わる。
北西隣でのホテル建設に伴い、民間調査団体「古代文化調査会」(神戸市)が周辺を調査した。堂跡は出なかったが、土製の仏像と宝塔が計11点出土した。
仏像と宝塔は粘土を型に入れた泥仏・泥塔で、全体的に散乱した状態で見つかった。仏像などの写実的表現から13世紀の鎌倉時代の製作とみられる。泥塔は六波羅蜜寺(京都市東山区)の本堂下の発掘調査で出土した例もあり、同調査会は「周辺の店で売られたか、泥仏とともに堂の地鎮に使われた可能性がある」と推測する。
古図によると、平等寺は小堂から始まり室町時代に敷地が拡大したとみられている。このほか鎌倉時代にかけて、数度の火災に遭ったとの記述も残る。
平等寺の歴史に詳しい富山大の長村祥知講師は「平等寺が比較的早い段階で何度も火災に遭い、再建の際に地鎮で泥仏と泥塔が使われたのだろう。寺の初期の歴史とともに、当時の人たちの信仰の様子がうかがえて興味深い」と話した。(園田和洋)
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