くびれたウエスト特徴 出土品の「形」にこだわった企画展、京都で開催
産経ニュース / 2025年1月8日 13時39分
縄文時代の土偶や江戸時代の土人形など、国内外の発掘調査などで出土した遺物の「かたち」に焦点をあてた企画展が京都市考古資料館(京都市上京区)で開催されている。出土品を通して当時の人たちの感性に触れるとともに、現代人との共通点や違いを探り、感じさせる内容になっている。
大学などが集積する京都の特性を生かし、同資料館が平成23年度から年に一度、市内の高校・大学と開催する合同企画展。今回は京都芸術大の学生7人が企画から展示物の選定までを担当した。
展示テーマは「ZOUKEI(造形)」。府内を中心に国内やアジア各地から出土した遺物の形、表現を通し、当時の人の感性や思想、社会背景などに触れる。
会場には、縄文時代晩期の「遮光器土偶」(京都芸術大蔵)や古墳時代中期の坊主塚古墳出土の盾持ち人形埴輪(はにわ)(亀岡市蔵)、京都御所近くの公家町遺跡から出土した動物の土人形(同資料館蔵)など約160点が並ぶ。
遮光器土偶は、丸い目に横一線が入った形が北方民族が使うサングラス「遮光器」に似ているため、そう呼ばれるようになった。くびれたウエストも特徴で、主に東北地方の遺跡で出土している。
また盾持ち人形埴輪はアーモンド形の瞳が学生らから人気を集めた。同じ古墳から出土した鶏形埴輪は首が細長い水鳥風だが、頭上に鶏冠(とさか)、くちばし下に肉垂(にくすい)付きの、れっきとしたニワトリだ。ポツンとした目とともに、「ゆるキャラ風だ」とイチ押しの展示品という。
このほか最新技術を使った高精度3Dを使い、遺物を画面を通して立体的に観察できるコーナーも設けている。京都芸術大は「造形を通して過去の人の創造性や感受性、そして現代人との共通点などに触れてもらえたら幸い」としている。
26日まで(原則、月曜休館)。入館無料。問い合わせは同館(075・432・3245)。(園田和洋)
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