「全国屈指の規模」食事関連施設が京都・山城国分寺跡から出土 東西38m、南北11m
産経ニュース / 2025年2月6日 11時42分
奈良時代、聖武天皇が国家安泰を願い全国に命じた「国分寺建立の詔(みことのり)」に伴い、現在の京都府南部に造営された山城国分寺跡(京都府木津川市)で、僧の食事関連施設「食堂院(じきどういん)」の建物跡が見つかった。調査した府教育委員会によると、食堂院は南都(奈良)の大寺院で確認されているが、国分寺跡での確認は初めて。同種施設としては全国屈指の規模を誇るという。
山城国分寺は聖武天皇が平城京から離れて造営した恭仁宮(くにきゅう)の廃都後、中心施設・大極殿を金堂に取り込む形で天平18(746)年に建立された。これまでの調査・研究などで寺域は東西273メートル、南北約330メートルと判明しており、全国の国分寺でも指折りの広さだ。
恭仁宮跡内の施設配置を確認する目的で、府教委は大極殿院の北東部に広がる「内裏(だいり)東地区」の約400平方メートルを調査した。その結果、一部に礎石が残る建物の柱跡が東西5本分(計13・2メートル)、南北3本分(計5・4メートル)がそれぞれ見つかり、南北に廂(ひさし)を持つことが明らかになった。
さらに、今回の調査地の前面で行われた過去の調査で出土した同寺関連の建物跡と廊下でつながり、一体空間を持っていたことも判明した。
府教委によると、今回出土した建物跡は食堂院のうち、食事を調理した大炊殿(おおいどの)跡とみられ、これまで性格が分からなかった前面の建物は食堂跡と断定された。また左右対称とされる寺院建築の特徴から、今回出土した建物は東西約38メートル、南北約11メートルという全国屈指の規模であることも分かった。
これまで国分寺の食堂跡で実施された発掘調査では、単独の建物跡が出土していただけで、大炊殿を併設したケースは初めて。古代寺院に詳しい京都大の上原真人名誉教授は「恭仁宮の大極殿を取り込んで寺院を造営したため、これだけの巨大な寺院になったのだろう。平城京に近いことも影響した可能性がある。今後の国分寺調査に参考になる」と話した。(園田和洋)
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現地説明会は11日午前10時と午後2時に実施する。
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